
えほん遠野物語です。
絵本には、3つの話がありますが、
仁太郎のはなしを 紹介します。
仁太郎という
逆立ちばかりしている 男が
東京の 近衛連隊に 入営した
ある日のこと
起床ラッパで、目を覚ました 仁太郎は
台の上で 逆立ちをした
しかし、
逆立ちに 失敗して
頭から、まっさかさまに 落ちてしまった。
まずい、死ぬ
仁太郎は、とっさに 故郷のことを 思い浮かべた
次の瞬間
仁太郎は 駆けだしていた
帰ろう、
遠野に帰ろう
駆けだしたが 遠野は遠い
いっそ飛べれば・・・
仁太郎は、五尺ほど 浮いて
遠野に 帰った
懐かしい
家では 母がキセルを ふかしていた
にこにこしながら、出迎えてくれたが
何も いわないし
何も してくれない
おかえりも 言わない
仁太郎は、東京に もどるべきだと思い、
宙をかけて
東京の兵営に もどり、部屋に とびこんだ
そのとたん
目がさめた
「気がついたか仁太郎、しっかりしろ」
仁太郎は、半日 意識がなかったという

家から届いた手紙に、こうあった。
真っ白な服を着た仁太郎が、飛ぶように やって来て
たちまち いなくなった
なにか、変事があったのかと心配した、と書いてあった
「そうか。あれがおまくか」
・・・
怪奇なはなしです。
仁太郎の話は、臨死体験を描いたようです。「おまく」とは、死を迎えようとする人間が、死の直前に空間移動をして、ひとびとの前に現れることをいうのでしょう。
最初のはなしは、寺の立て直しのために集まっていた大工たちの前に、十六、七のうつくしい娘が現れ、消えたはなしです。病気の娘が、こんな遠いところに来るはずもない、と大工の啓次郎は思いました。娘は、その翌日、死んだ。
第二話は、役場に勤めている菊池という男が、出張先の盛岡で、夕涼みをしていると、川の中に姉と赤ん坊の姿を見たというはなし。胸騒ぎがして、手紙を投函しようとしたが、その前に電報が届いた。姉の娘が死んだという報せだった。
「遠野あたりでいう おまくとは そうしたものである」
・・・
※『おまく』 柳田国男原作、京極夏彦文、羽尻利門絵、汐文社 2021年









