『 もけら もけら 』 は、
すべて、
まったく意味のないことばによって、 構成されています。
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もけら もけら でけ でけ
ぱたら ぺたら
ぴた ごら ぴた ごら
ころ もこ めか もけけ け け け
しゃばた しゅばた しゃばた ぱたさ
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こんな調子です。
ぱたら、 ぺたら、 ごら、 めか などの ことばには、意味が ありません。「 意味 」 を 欠いて いますので、 ことばの 「 音 」 と 「 形 」 がめだつのです。
『 もけら もけら 』 は、
「 音 」 のおもしろさを追求しています。絵本で音楽を表現するのが、ねらいなのかもしれません。読み手は、 ことばの演奏者です。
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でも、
ストーリーもえがけます。
「 もけら もけら 」 と呼ばれる人物が、
「 でけ でけ 」とやってきて、
「 しゃばた しゅばた しゃばた ぱたさ 」 と歌をうたい、
いろいろな遊びをくりかえし、
「 すばらば 」 といって去っていく おはなし。
そして 、最後に、
だば!
喜びの 声をあげるのです。
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さて、この絵本から、子どもたちの音楽的表現や身体的表現をたくさん ひきだしてみましょう。
ごろ がら ぐれ もが
ごあら ごあら
がら がら がら とばた たん
たばた たん
すばらば
だば!
子どもたちは、 これらのことばをどのように読むのでしょうか?
また、
どのような 楽器で、
どのような リズムで、
どのような 身体の表現をするのでしょうか?
想像の楽しみはつきません。
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※ 『 もけら もけら 』 山下洋輔ぶん、 元永定正え、 中辻悦子構成、 福音館書店 1990年発行