『あいうえおうた』 谷川俊太郎・ぶん、降矢なな・え、福音館書店
どのページにも、しろねこ、くろねこ、しまねこが描かれています。3匹のねこの様子をみるのも楽しい絵本です。いろいろな形と姿でどのページにもいます。
『アイウエ王と カキクケ公』 武井武雄原案 三芳悌吉作 童心社
ことば遊びのようですが、 五十音をつかったおはなしです。戦争とは、平和とはなにかを語ります。現代の子どもにも知ってほしい絵本です。
『あおい目の こねこ』 エゴン・マチーセン作・絵 瀬田貞二訳 福音館書店
あおい目のこねこは、困難にもめげないこねこ。おおらかなこねこ。こんなふうに生きていけたら、と思えるこねこの生き方です。マチーセンには『さるのオズワルド』という絵本もあります。
『あおくんときいろちゃん』レオ・レオニ作、藤田圭雄訳、至光社
抽象的なちぎり絵ですが、言葉によって意味とストーリーがうまれます。
『あかいふうせん』イエラ・マリ、ほるぷ出版
文字のない絵本。赤いふうせんが、リンゴ、ちょう、花、傘に変化していきます。
『あがりめ さがりめ』 まつしませつこ絵 こぐま社
あがりめ さがりめ、いっぽんばし、げんこつやまの たぬきさんなど、子どものころに楽しんだ15のあそびうた。なつかしい歌がならんでいます。手あそびで子どもとスキンシップ。絵本を通して伝統文化が継承されます。『あんたがた どこさ』(こぐま社)は姉妹編です。
『あたしも びょうきに なりたいな!』 フランツ=ブランデンベルク作、アリキ=ブランデンベルク絵 ふくもとゆみこ訳 偕成社 1983年
『あたしもびょうきになりたいな!』って、どうしてでしょう? おとうとが病気になって、みんな、わたしを無視。念願?かなってわたしも病気。でも、元気なのがいちばんです。
『アベコベさん』フランセスカ・サイモン文、ケレン・ラドロー絵、青山 南訳、文化出版局 1997年発行
奇想天外な絵本です。アベコベさんたちが、起きるのは真夜中。起きたらパジャマに着替えて、ベットで食事。何でもアベコベです。アベコベ一家の大騒動。逆転した発想と行動が、どろぼうを撃退。こんな人たちはいませんが、ものごとをアベコベに見る見方はあります。
『あめがふるときちょうちょうはどこへ』 メイ・ゲアリック文、レナード・ワイスガード 絵、岡部うた子訳、金の星社
雨が降るとき、ちょうちょうは本当にどこにいるのでしょうか?
『アレクサンダとぜんまいねずみ』 レオ・レオニ作、谷川俊太郎訳、好学社
アレクサンダとぜんまいねずみの生き方を対比して、自由の意味を問う絵本です。
『アンガスとあひる』 マージョリー・フラック作、瀬田貞二訳、福音館書店
知りたがりやのアンガスは子どもそのもの。生け垣のむこうの声の正体をつきとめようとします。『アンガスとねこ』『まいごのアンガス』も、M.フラックの絵本です。
アンディとらいおん』 J・ドーハーティ文・絵、村岡花子訳、福音館書店
らいおんに夢中のアンディ。とげをぬいてあげたらいおんとサーカスで出会います。起承転結のはっきりしたストーリー。ダイナミックな絵。ハラハラ・ドキドキ。絵をみているだけで、ストーリーがわかります。
『いない いない ばあ』 松谷みよ子文、瀬川康雄絵 童心社 1967年
ページをめくるたび、“ばあ”とあらわれる人物。あるものは つねに そこにあります。“ばあ”の音のおもしろさ。ドラマがあり、まとまりのある世界をつくりだしています。子どもがであう最初の本にふさわしい絵本です。
『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』V・L・バートン作、村岡花子訳、福音館書店
乗り物絵本の傑作です。機関車ちゅうちゅうの大冒険。スピーディな 展開と躍動感が、子どものこころをとらえます。ほかに『 マイク・マリガンとスチーム・ショベル 』(石井桃子訳、童話館出版 1939年)『 けいていー はたらきもののじょせつしゃ 』(石井桃子訳、 福音館書店 1943年)もバートンの乗り物絵本です。
『いたずらこねこ』B・クック文、L・チャーリップ絵、間崎るり子訳、福音館書店
いたずらこねことかめのおはなし。かめに驚いたこねこは、後ずさりをはじめます。その先にはかめの池。こねこは知らないのに、読者は知っています。
『いぬが いっぱい』グレース・スカール作、 やぶきみちこ訳 福音館書店
いろいろな性格、色、大きさ、状態のいぬがいます。そのことは、人間の場合も同様です。題材は「いぬ」ですが、子どものことにも当てはまります。子どもたち一人ひとりが、みんな、ちがうのです。
『いまはむかし さかえるかえるの ものがたり』松岡享子文、馬場のぼる絵 こぐま社 1987年
言葉あそびですが、ストーリーがあります。リズミカルなかえるの韻。声に出して読みたい文章です。馬場のぼるさんの絵にユーモアがあって絵本の楽しさが倍増です。『 かえるが みえる 』(こぐま社 1975年 )もおすすめです。
『いもうとのにゅういん』 筒井頼子文、林明子絵、福音館書店
妹のあやちゃんが急に入院しました。あさえはお見舞いに何を持っていこうかと悩みます。「ほっぺこちゃん」をあげる姿に、あさえの成長が見えます。
『いろいろへんないろのはじまり』 アーノルド・ローベル作、 冨山房 1975年
むかし色のない時代がありました。まほうつかいが、あおいろ、きいろ、あかいろをつくりますが、へんな世界です。最後は色をまぜて申し分のない世界へ。群像表現がみごとです。さまざまな人物の姿と表情に見ごたえがあります。
『いろはいろいろ』 沢木耕太郎作、和田誠絵 講談社
みずいろ、ちゃいろ、きいろ、ももいろ…。いろんな色。三角形、四角形、五角形…。いろんな形。さまざまな色の形をみんなあつめて、家ができています。この「家」には象徴性があります。
『海と 灯台の本』 マヤコフスキー文、 ポクロフスキー絵、松谷さやか訳、新教出版社 2010年
1927年出版のソビエト社会主義共和国連邦時代の絵本です。航海はとてもむずかしい。嵐の海のなかにいる船。それを導く灯台。子どもたちよ、灯台のようであれ ! 子どもたちに託した希望です。
『うろんな客』 エドワード・ゴーリー作・絵、柴田元幸訳、河出書房新社 2000年
意表をついて短歌形式で訳されています。“うろん”とは、怪しいさまのことですが、うろんな客とは子ども。タッチの強いペン画、訳文、内容、どれも個性的です。奇妙な絵本ですが、こころ惹かれます。
『うんちがぽとん』 アロナ・フランケル文・絵、 さくまゆみこ訳、 アリス館
主人公のまあくんは、2歳くらいの男の子。うんちをおまるで出来るようになりました。「おしっこ バイバイーイ うんち バイバーイ」。ユーモアの魅力。自立心をつよめながら 自分の成長を確認できるように仕組まれた絵本です。
『えかきうたのほん』 中村柾子、西巻茅子作、西巻 茅子絵、 福音館書店 1993年
まみこちゃんが描いたリリコがたちあがり、絵描きうたで、いろいろな絵をかきます。おはなし仕立ての絵描きうたの絵本、ファンタジーの絵本です。
『おおかみと七ひきのこやぎ』 グリム童話、フェリクス・ホフマン絵、瀬田貞二訳、福音館書店
有名なグリム童話です。おかあさんやぎの表情が、とてもゆたかです。母親の立場になって考えますと、オオカミへの厳しい罰は当然です。おかあさんやぎの成長を描いているようです。
『おおきく なりすぎた くま』 リンド・ワード 文・画 渡辺茂男訳 ほるぷ出版 1985年
くまと少年の心のふれあいを描いた絵本です。悪気はないのに、自然なふるまいが、自分の望まない事態をうみだしていくのです。ここにドラマがあります。
『おおきなおおきなおいも』 赤羽末吉 さく・え 福音館書店 1972
鶴巻幼稚園・市村久子さんの育実践から生まれた絵本です。子どもたちは、紙をつないで、大きな大きなおいもを描きます。めくっても めくっても、おいもの絵。どんどん広がる 子どもたちの自由な空想。子どもの夢がいっぱいです。
『おおきなかぶ』 ロシア民話、 A・トルストイ再話、 佐藤忠良画、内田莉莎子訳、福音館書店
力の弱いと思われているねずみが来て、この大きなかぶが抜けるおはなしです。また、かぶの大切な価値は美味しいということ。「あまい あまい かぶなれ」す。
『おさるとぼうしうり』 E・スロボドキーナさく・え、 松岡享子訳、福音館書店
ぼうしを売りが、昼寝をしている間に、ぼうしをみんなさるにとられてしまいました。どうやって取り戻したのでしょうか。ユーモアの味がり、読みかたりの楽しい作品です。
『おだんごぱん』 ロシア民話、瀬田貞二訳、脇田和絵、福音館書店 1966年
流れるようなおだんごぱんのうごき。きつねの悪知恵。リズミカルな文章にのって、おはなしが展開します。
『おてがみ』 アーノルド・ローベル作、 三木 卓訳、 文化出版局
がまくんとかえるくんの世界。それはお互いを思いやる温かな世界です。ふたりの友情をえがいた、ユーモアあふれる作品です。『ふたりはともだち』のなかにあります。ほかに「 はるがきた 」「 おはなし 」「 なくしたボタン 」。
『おとうさんのえほん』 高畠純作 絵本館 1991年
育児にがんばるおとうさん。ゴリラ、ペンギン、しろくま、わに、ぶた・・・のおとうさんが、子どもとあそぼうとしています。 みんな一生懸命なのですが、ちょっと残念なおとうさんたち。ユーモアがあり、親子でたのしめる絵本です。
『おとなしいめんどり』ポール・ガルドン作・絵、谷川俊太郎訳、童話館出 1994年
小麦の種まき、刈り取り、粉屋に運ぶ、お菓子をbnの4回のくりかえし。いぬ、ねこ、ねずみの怠けぶり。めんどりの働きぶり。教訓的なおはなしですが、人物が生きいきとしています。
『おやおやじゅくへ ようこそ』 浜田 桂子作、 ポプラ社
塾の月謝は無料。 先生は子ども。「おやおやじゅく」は親がはいる塾です。子どもは、自然の子どもです。子育てはおとなの思いどおりにはなりません。親にとって、子どもがいちばんの先生なのです。
『かあさん、 わたしのことすき ?』バーバラ・ジョシー文 バーバラ・ラヴァレー絵 わたなべいちえ訳 偕成社 1997年
イヌイットの物語をもとにした絵本です。「どんなことがあっても/あなたが 好き」という母のことばが、子どもに安心感をあたえます。
『かげ』 新美南吉作、鈴木靖将絵、新樹社
満月、深夜。からすは、自分のしたに、真っ黒なかげを見つけます。それは自分のかげ。からすは、かげに競争を挑むのです。はたして、その結末は? 「かげ」には彼の人生観が表現されているいるようです。
『かさこじぞう』 岩崎京子文、新井五郎絵、ポプラ社
相手をいたわり、おもいやるこころが描かれた世界。じぞうさまの慈悲の世界です。おはなしの背景には、じぞうさまへの信仰があります。じいさまとばあさまの夫婦愛もえがかれています。
『かずあそび ウラパン・オコサ』 谷川晃一作 童心社
1はウラパン、2はオコサ。1と2だけのかずあそび。「さるが いっぴきで ウラパン」「こどもはふたりで オコサ」。三つだったら、オコサ・ウラパン。四つだったら、オコサ・オコサ。かずあそびを楽しめる素敵な絵本です。『へんしーん』(偕成社)も谷川晃一作のユーモア作品。頭と顔の絵の組み合わせでおかしな人物が現れます。
『ぎゅっ』 ジェズ・オールバラ作・絵 徳間書店
原題は「HUG」 チンパンジーのジョジョは、ぞうの親子、カメレオンの親子、へびの親子が「ぎゅつ」としているのを見て淋しくなります。繰り返される「ぎゅっ」の言葉にジョジョの心の変化がみえます。そして、おかあさんがジョジョを見つけると…。もちろん「ぎゅっ」です。
『きりかぶのあかちゃん』まど・みちお文、白根美代子絵、国土社
「ぞうさん」の詩人まど・みちおさんの自然観がででいます。どうぶつ村動物たちは、天まで届くおおきな木を切ってしまいました。でも。冬の前に枯れ草のふとんをかけてあげます。春が訪れると…、きりかぶは、新芽の「あかちゃん」をだっこしています。自然との共生です。
『きんのさかな』プーシキン文、ヴェー・コナシェビチ画、宮川やすえ訳、ほるぷ出版
きんのさかなを助けて、ばあさんの欲望はどんどん膨らみます。「たらいがほしい」「いえがほしい」「貴族になりたい」とさかなに頼みます。でも、さいごは元通り。人間の欲の深さが、海の色や海の様子によって、象徴的に表現されています。
『王さまと九人のきょうだい』中国の民話、君島久子訳 赤羽末吉絵、
岩波書店1969年
中国の少数民族に伝わるおはなしです。ちからもち、くいしんぼう、はらいっぱい、ぶってくれ・・・ふしぎな力をもつ九人の兄弟。かれらが横暴な王様に立ち向かう痛快なはなしです。
『おおきな おおきな おいも』市村久子原案、赤羽末吉作・絵、福音館書店
園児たちの描いた大きなおいもが圧巻。おいもで遊んで、みんなで食べて、幼稚園の実践から生まれたエネルギーに満ちあふれた絵本です。
『おおきなかぶ』ロシア昔話、内田莉莎子再話、佐藤忠良絵、福音館書店
おじいさんが大切に育てたおきなかぶ。みんなで力を合わせて抜こうとしますが、なかなか抜けません。ねずみが来て、かぶが抜けるところに、ねずみの大きな役割が見えてきます。絵もよく見てください。いろいろな発見があります。
『おかあさんだいすき』M・フラック作、光吉夏弥、 大沢晶助訳・編、岩波書店
おかあさんの誕生日に何をあげたらよいのでしょうか。ダニーは、めんどり、がちょう、やぎたちに尋ねます。そして、ダニーが考えた贈り物は?
『おじさんのかさ』 佐野洋子作、講談社
大切な傘がぬれるので雨の日にも傘をささないおじさん。でも、子どもたちの歌につられて思わず傘を開いてしまいました。『100万回生きたねこ』も佐野洋子作です。
『おならうた』谷川俊太郎・原詩、飯野和好絵 絵本館
「いもくって ぶ」「くりくって ぼ」「あるいて び」「すかして へ」「ころんで ぴゅ」「おこって ぺ」…。笑えること確実です。また、この絵本、売れているようです。
『おばけのバーバパパ』A・チゾン、T・テイラー作、山下明生訳、偕成社
バーバパパはどんな形にもなれる可愛らしいおばけです。友達を求めて町のなかへ。大活躍のバーバパパは町中の人気者。漫画的な絵が楽しい絵本です。
『おふろだいすき』松岡享子作、林明子絵、福音館書店
ぼくがお風呂に入ると、かめ、ペンギン、オットセイ、かば、くじらが現れてきます。林明子さんの絵がファンタジックな世界を広げます。
『おやすみなさいのほん』M・W・ブラウン文、J・シャロー絵、石井桃子訳、福音館書店
文章が美しく整っていて、子守歌を聞くような安らぎがあります。
『かいじゅうたちのいるところ』M.センダック、神宮輝夫訳、冨山房
いたずらをして寝室に放りこまれるマックス。夢の中でかいじゅうたちの世界で
遊びます。現実と非現実のあわいを描いたセンダックの名作。
『かさじぞう』瀬田貞二再話、赤羽末吉絵、福音館書店
おじいさんは、雪にうもれた六人のじぞうさまに、大切な売り物のかさをかぶせてあげます。さて、その晩「よういさ よういさ」と言いながらやってきたのは? 『かさじぞう』松谷みよ子文、黒井健絵(童心社)、『かさこじぞう』岩崎京子文、新井五郎絵(ポプラ社)も素敵な絵本です。
『かしこい ビル』 ウィリアム・ニコルソン作 松岡享子、吉田新一訳 ペンギン社 1982年( 初版は1926年 )
メリーが おばさんの家に行くとき、人形のビルを入れ忘れてしまいました。ビルは、走って、走って、メリーに追いつきました。絵を見るだけでもストーリーがわかります。手作り感いっぱいの絵本です。
『がちょうの ペチューニア 』 ロジャー・デュボワザン作、まつおかきょうこ訳冨山房 1999年( 初版1950年)
本をひろい、いつも持ちあるくペチューニア。かしこいと自惚れて首がのびてきます。どうぶつたちの相談に、トンチンカンな答え。本を持っているだけで、かしこいと思いこんだぺチューニア。結局、「なかみを あたまや こころに いれなくっちゃ」と、反省です。
『かにむかし』木下順二作、清水崑絵、岩波書店
独特な語り口と声喩、力強くリズムのある文章。方言を生かした息のながい文体がかにむかしの世界を形象します。
『かばくん』岸田衿子作、中谷千代子絵、福音館書店
日曜日の動物園。かばの親子のところに子どもたちが集まってきました。文章に韻とリズム、また視点の転換があります。絵もすばらしい絵本です。
『かもさんおとおり』ロバート・マックロスキー文と絵、渡辺茂男訳、福音館書店
かもの夫婦は子どもを育てるためにボストンの町にやってきました。人間と動物の交流を描いたマックロスキーの傑作絵本。
『かもときつね』ビアンキ作 、内田莉莎子訳、山田三郎画、福音館書店
語り手は、ずるいきつねの側から語ります。どのような読者の体験が生まれるのでしょうか。最後は、かしこいこがもの勝ちです。
『からすのパンやさん』かこさとし絵と文、偕成社
からすのパン屋さんは、ある日、形の変わったいろいろなパンを売り出すと大当たり。画面いっぱいのパンは、子どもたちに大人気です。
『きかんしゃやえもん』阿川弘之文、岡部冬彦絵、岩波書店
「ぷっすん ぷっすん」などの声喩がとても楽しく人物を造形します。また、ストーリーも起伏にとんでいます。
『きたかぜとたいよう』 ラ・フォンテーヌ文 ブライアン・ワイルドスミス絵、わたなべしげお訳、らくだ出版 1977年
有名なイソップ物語です。北風と太陽は、旅人のコートを脱がせようとします。北風はだめ。太陽は? そのあたたかさで、旅人のコートを脱がせたのでした。コートとは、人の心のたとえ。ブライアン・ワイルドスミスの絵もすてきです。
『気のいい火山弾』宮沢賢治作、田中清代絵、ミキハウス
主人公は、ベゴ石と呼ばれる火山弾です。まわりの石、かしわ、木、おみなえしは、ベゴ石をバカにするのです。ベゴ石はけっして怒りません。法華経をふかく信仰した賢治です。相互依存と諸行無常の考えをベゴ石に込めたと思います。
『きもち』 谷川俊太郎作、長新太絵、福音館書店
長新太さんが、いろいろなきもちを絵だけで表現しています。きもちをからだで表現しています。言葉ではなく、表情、行動で。受けとめてくれる人がいて、「きもち」はつたわります。
『キャベツくん』長新太文・絵、文研出版
ブタヤマさんがキャベツくんを食べようとすると、鼻がキャベツになってしまいます。では、たぬき、ゴリラは? 長新太さんの楽しいナンセンス絵本。
『ぎゅっ』 ジェズ・オールバラ作・絵 徳間書店 2000年
原題は「HUG」。動物たちの親子が「ぎゅっ」。チンパンジーのジョジョは、ママが恋しくなりました。さいごは、もちろん、ママとぎゅっ。言葉ではないシンプルな愛情表現です。
『きょうは なんのひ?』瀬田貞二作 林明子絵 福音館書店 1979年
まみこの企みにふりまわされる、おかあさんとおとうさん。そして読者も。愛情あふれる家」のイメージにつつまれた世界です。
『きょうは みんなで くまがりだ』 マイケル・ローゼン再話、ヘレン・オクセンバリー絵、山口文生訳 評論社
イギリスに伝わる子どものあそび歌をもとにした絵本です。おとうさん、おかあさん、三人の子どもたち、そして犬一匹。「きょうは、みんなで クマがりだ」とげんきよく出かけます。行きはよいよい、帰りはこわい、です。
『きょだいな きょだいな』 長谷川摂子作 降矢なな絵 福音館書店
「あったとさ あったとさ/ひろい のっぱら どまんなか/きょだいな ○○あったとさ」のリズミカルなことば。あらわれたのは、せっけん、でんわ、トイレットペーパー・・・。でも、規格をはずれのナンセンス。子どもたちの空想がひろがります。
『きりかぶのあかちゃん』まど・みちお文、白根美代子絵、国土社
自然との共生の思想を、きりかぶの話に託してユーモア豊かに語った絵本。動物たちの愛にもとづく行動が新芽のあかちゃんを育てます。
『きんぎょがにげた』五味太郎作、福音館書店
子どもがはじめて出会う絵本として最適です。絵本の中のきんぎょを一緒にさがしましょう。最後にきんぎょは友達を見つけます。
『きんのさかな 』 プーシキン文、コナシェビチ画、宮川やすえ訳、ほるぷ出版
人間の欲望が、海の色や海の様子によって、象徴的に表現されています。見えない心がばあさんの言動や海のすがたで、はっきりと見えるようになっています。
『グーテンベルクの ふしぎな機械 』 ジェイムズ・ランフォード作 千葉茂樹訳 あすなろ書房 2013年
なぞなぞ仕立てで、グーテンベルクの製本法を説明します。絵は当時のドイツ・マインツの風景をリアルに表現しています。グーテンベルクの本は世界の歴史をすっかり変えてしまったのです。日本のキリシタン本とも関係がありました。
『くちばし どれが一番りっぱ?』 ビターリー・V・ビアンキ作、 藪内正幸絵、田中友子訳、福音館書店 2006年
鳥たちのくちばし自慢。寓話的なおはなしです。くちばしの役割が、分かりやすく説明されています。また、生き生きとした鳥たち。こころさえ表現しているようです。藪内正幸さんの絵がすばらしい。
『くまのこうちょうせんせい』 こんのひとみ作、 いもとようこ絵、 金の星社
「命の授業」をつづけた校長先生がモデルです。登場人物のこうちょうせんせいとひつじくん。ふたりとも自己変革を遂げます。
『くまのコールテンくん』ドン = フリーマン作 松岡享子訳 偕成社 1975年
おんなのことくまのコールテンくんの心のふれあいが描かれます。コールテンくんの表情がいきいきと表現されて、あたたかな世界です。作者の人柄がわかるような気がします。
『ぐりとぐら』 なかがわりえこ文、おおむらゆりこ絵、福音館書店
大きなたまごを見つけたぐりとぐら。かすてらをつくり始めると、森の動物たちが集まってきました。1963年初版の絵本の古典です。
『くれよんのはなし』 ドン・フリーマン作・絵、西園 寺祥子訳、ほるぷ出版1976年
8色のくれよんが、作りだした絵(世界)は、無人島の男の子と亀。それは問題的状況でもあります。しかし、絵のなかの亀が動き出し、男の子を救出します。
『虔十公園林』宮沢賢治作、伊藤亘絵(偕成社)
おはなしの主人公は虔十。「すこし足りない」と思われている虔十。虔十は杉をたいせつにそだてました。虔十は若くして亡くなりますが、美しくなった杉林は「虔十公園林」となって永遠に残ります。「本当の幸せとはなにか」という「問い」が投げかけられています。
『こいぬのうんち』クオン・ジョンセン文、チョン・スンガク絵、ピョン・キジャ訳 平凡社
「うんち」の絵本ですが、とてもすてきなおはなしです。うんちは、こやしとなり、たんぽぽの花を咲かせる助けとなったのでした。
『ことばのこばこ』和田誠文・絵、 瑞雲舎 1995年
言葉の小箱のなかには、18の言葉あそびがはいっています。しりとり、かくしことば、回文、かぞえうた、アクロスティク、アナグラム・・・。言葉あそびっておもしろい。この絵本からたくさんの言葉あそびを創作してほしいと願います。
『ゴムあたまのぽんたろう』長新太作 童心社
ゴムあたまのぽんたろうは、どんなものにあたっても痛くありません。ゴムあたまのぽんたろうは、どこまで、いくのでしょう。わくわく、どきどき。長新太のナンセンス絵本です。
『コルチャック先生 子どもの権利条約の父 』トメク・ボガツキ作・絵、柳田邦男訳 講談社
コルチャック先生の伝記絵本です。「子どもは愛される権利をもっている」「子どもは幸福になる権利をもっている」多くの子どもが、戦争や貧困などで犠牲になっているこの世界。コルチャック先生の訴えは今もいきています。
『これはのみのぴこ』谷川俊太郎作、和田誠絵 サンリード
「これはのみのぴこ」「これはのみのぴこのすんでいるねこのごえもん」「これはのみの…」。もとはマザーグースのつみあげうたですが、詩人の谷川俊太郎さんはユーモアある作品にしています。早口で言ってみても面白い。一息で言えるでしょうか。
『ころころころ』元永定正作、福音館書店
「ころころころ」をいろいろな読み方が読んでください。単純な絵本ですが、読みかたりの楽しい絵本です。ころころところがる姿に人生を感じます。
『ごんぎつね』新美南吉、黒井健絵、偕成社
ごんのいじらしさ、描写の冴え、物語の面白さなど南吉童話の傑作です。悲劇的な最後が、読者に「問い」を提示します。
『さっちゃんのまほうのて』田畑精一、先天性四肢障害児父母の会、偕成社
指のない手をもつさっちゃん。絵本はさっちゃんの生きいきとした姿を描きます。作者たちの深い愛情がつたわる感動の絵本です。
『サリーのこけももつみ』ロバート・マックロスキー 文・絵 石井桃子 訳 岩波書店 1986年(初版は1948年)
こけももとは、ブルーベリーのこと。こけももの摘みをしていると、いつのまにか、サリーは、くまのおかあさんのあとに、くまのこはサリーのおかあさんのあとについていきます。すれちがいのドラマとハラハラドキドキの体験。
『3びきのくま』 トルストイ作、 バスネツォフ絵、 おがさわらとよき訳、福音館書店
おんなのが迷い込んだの3びきのくまの家。おんなのこはくまの家で眠ってしまいました。そこへ、くまたちが帰ってきます。後半のスリルは読み語りのたのしいところです。
『三びきのこぶた』山田三郎画、瀬田貞二訳、福音館書店
イギリスの昔話。生きる厳しさがわかる「三びきのこぶた」です。
『さんびきのやぎの がらがらどん』マーシャ・ブラウン作、瀬田貞二訳、福音館書店
ノルウェーの民話。山へ草を食べにでかける三びきのやぎとトロルとの闘い。自然と闘う知恵と勇気を感じます。子どもたちに人気の作品です。
『じごくのそうべえ』 桂米朝・上方落語・地獄八景より たじまゆきひこ作 童心社 1978年
そうべえの地獄めぐり。でも、そこは落語。奇想天外な展開と笑い。このようにして子どもが落語と出会うのもおもしろいことです。
『11ぴきのねこ』 馬場のぼる作、こぐま社
湖で大きな魚を捕らえた11ぴきのねこ。夜が明けると魚は骨ばかり。ねこたちはタヌキのようなおなかで寝ています。笑いにみちた絵本です。
『しょうたと なっとう』 星川ひろ子、星川治雄 写真・文 小泉武夫 原案・監修 ポプラ社 2003年
納豆が出来るまでを、おはなし仕立てで語ります。納豆のちからに感動。食べたくなります。日本の伝統食・納豆を再認識です。
『しょうぼうじどうしゃじぷた』渡辺茂男文、山本忠敬絵、福音館書店
働き者だが、ちびっこのじぷた。いつもばかにされますが、山小屋の火事では大活躍です。
『ジョニーのかたやきパン』 ルース・ソーヤー作、ロバート・マックロスキー絵、こみやゆう訳 岩波書店 2009年
かたやきパンが、袋から飛び出します。ジョニーくんをはじめ、うし、あひる、ひつじ、ぶた・・・みんなで追いかけ、さいごはハッピーエンド。
『ジルベルトとかぜ』マリー・ホール・エッツ 作 たなべいすず訳、冨山房 1975
かぜを目で、ふれて、耳で感じる絵本です。『もりへ』『またもりへ』『私とあそんで』のエッツのすてきな絵本。
『スイミー』レオ・レオニ作、谷川俊太郎訳、好学社
つらい体験をしたスイミーの成長が見えます。教科書にも載りました。
『スーホの白い馬』モンゴル民話、大塚勇三 再話、赤羽末吉画、福音館書店 1967年
スーホと白い馬のこころの交流。横長に広がった形式が、モンゴルの草原と空の広さを表現しています。赤羽末吉さんの傑作絵本です。
『スガンさんのやぎ』 ドーデ原作、岸田衿子文、中谷千代子絵 偕成社 1966
スガンさんのやぎ、ブランケットを通して、生き方について考えさせる作品です。岸田衿子さんの文、中谷千代子の絵によって、原作とは違う魅力がうまれました。
『ずっーと ずっと だいすきだよ 』 ハンス・ウィリアム 絵と文、 久山太市訳評論社
「 ぼく 」と犬の「 エルフィー」との心の交流を描いた素敵な作品です。大好きだったエルフィーの死を通して、「ぼく」の心の成長をみることができます。
『すてきな 三にんぐみ』 トミー・アンゲラー作・ 絵 今江 祥智訳、偕成社 1969年
ちよっとかわった三にんのどろぼうのおはなしです。かれらは、ぬすんだ金銀宝石を、捨て子や孤児のために使います。たからものの意味がかわります。たからものとは、子ども。子どもの未来、子どものしあわせです。
『せかいいちおいしいスープ』マーシャ・ブラウン 文・絵 こみやゆう訳 岩波書店 2010年
せかいいちおいしいスープとは、石からつくったスープ。どうやって、つくったのでしょうか。マーシャ・ブラウンの描く人物のいきいきとした表情と様子も魅力です。
『せかいのはてってどこですか?』アルビン・トゥレッセルト作
ロジャー・デュボアザン絵 三木卓訳 童話館出版 1995年(初版は1958年)
世界の果てを探しに、井戸から外に出るカエル。行動することで世界がかわる、未来がひらかれていきます。絵はぺチューニアのデュボアザンです。どこか飄々としていて、おはなしにぴったりのカエルを描きました。
『世界にパーレただひとり』 イェンス・シースゴール作、 アンネ・ウンガーマン絵、山野辺五十鈴訳、偕成社
もし世界にパーレただひとりだったら、何だってできます。でも、一人だけでは、つまらない。不思議なはなしですが、これは夢物語。パーレの欲望を肯定しながら、最後にみんなといっしょに暮らすことの大切さや楽しさを体験します。
『せんたくかあちゃん』さとうわきこ さく・え 福音館書店 1982年
たらいで洗濯するかあちゃん。洗濯のだいすきな、かあちゃんのおはなしです。大らかで豪快なせんたくかあちゃんです。
『ぞうくんのあめふりさんぽ』 なかの ひろたか作・絵、福音館書店 2006年
『ぞうくんの さんぽ』の続編です。こんどは、池の中のお散歩です。かめくんのせなかに わにくん。わにくんの せなかにかばくん。かばくんのせなかにぞうくん。かめくんがいちばん下。いちばん上がぞうくん。当然。ひっくりかえって、ばっしゃーん!
『空とぶ ライオン』 佐野 洋子作・¥」 講談社 1993年
ライオンのすがたをかりた人間のおはなしです。ねこたちの期待に応えようとして、がんばりすぎるライオン。苦しい立場に陥ってしまうライオンです。気の毒ですが、おかしくも感じます。
『だいくとおにろく』松井直再話、赤羽末吉画、福音館書店
急流に橋をかけたおには、約束通り、だいくさんの目玉を要求します。だいくとおにの駆け引きが、読みかたりのポイントです。
『だいじょうぶ だいじょうぶ』 いとうひろし作・絵、 講談社
ぼくとおじいちゃんのふれあいを描いた絵本です。だれにでもある祖父母との体験。現在のぼくの思いと、過去のぼくの思いのかさなりが、絵本の感動をふかめています。
『たいせつなきみ』 マックス・ルケード作、 セルジオ・マルティネス絵、ホーバード 豊子訳、いのちのことば社
だめシールを たくさん貼られているパンチネロ。「たいせつな きみ」ということばが、パンチネロに生きる力をあたえます。信仰の問題だけでなく、他者とちがうことを受けい勇気 、認識をかえることで生き方がかわるなど、さまざまに読める絵本です。
『たいせつなこと』 マーガレット・ワイズ・ブラウン作、レナード・ワイズガード絵、うちだややこ訳、 フレーベル館 2001年
スプーン、ひなぎく、あめ、くさ、ゆき・・・にとって、たいせつなことはと問いかけます。そして、最後は、あなたにとってたいせつなことは? 「あなたが あなたで あること」。
『ダチョウの くびは なぜながい?』アフリカの昔話 ヴァーナ・アーダマ 文、マーシャ・ブラウン絵、 松岡享子訳、冨山房 1996年
むかし、くびのみじかかったダチョウ。あるとき、ワニにかまれて、さあたいへん。ダチョウは必死で引っぱり、くびが伸びてしまったというはなし。
『ダッシュだ、フラッシュ!』ドン・フリーマン 作・絵、なかがわちひろ訳、BL出版
フリーマンの作品は、こころ温かな世界ですが、この作品もそうです。ダックスフントのダッシュとシャッセ。ふたりの個性・生活を見ると身につまされます。
『だるまちゃんとてんぐちゃん』加古里子さく・え、福音館書店
だるまちゃんは、てんぐちゃんの持っているうちわや帽子などが欲しくなりました。だるまちゃんがどうしたのでしょうか?
『だんぷえんちょうやっつけた』古田足日・田端精一作、童心社
わらしこ保育園の子どもたちの生活が生き生きと描かれています。一人一人の個性を描ききった作家の腕が見事です。
『ちいさいおうち』V.L.バートン作、石井桃子訳、岩波書店
田舎の小さな一軒家のおはなし。いつの間にかまわりは都会に変わってしまいました。バートンの文明批評が見えます。
『ちいさいしょうぼうじどうしゃ』ロイス・レンスキー作、渡辺茂男訳、福音館書店
スモールさんとちいさい消防自動車が火事を消す大活躍の絵本です。古めかしい絵ですが、ぬくもりを感じます。
『ちいさな 1』 アン・ランド、 ポール・ランド作 谷川 俊太郎訳
ほるぷ出版 1994年(初版は1962年)
最初、1はひとりぼっち。 でも、わっか(0)と出会って10になります。かけがえのない自分、あたらしいわたしになるのです。シンプルな線ですが、ポール・ランドの絵も魅力的です。
『チムとゆうかんなせんちょうさん¥・・アーディゾーニ作、瀬田貞二訳、福音館書店
船のりになりたいチム。あこがれの船に乗り込みますが、やがて船は沈没。海にいきる厳しさが描かれた古典的な絵本です。
『ちょっとだけ』瀧村有子さく 鈴木永子え 福音館書店
なっちゃんの家に赤ちゃんが生まれました。ママは赤ちゃんにかかりっきり。「ちょっとだけ」かまってほしいのに。なっちゃんの心理が読者の共感をよびます。心温まる一冊です。
『チロヌップのキツネ』高橋宏幸作、金の星社
背景になっている戦争について考えさせられます。
『つきの ぼうや』イブ・スパング・オルセン作・絵 やまのうちきよこ訳福音館書店 1975年
デンマークの絵本です。スリムな縦長の絵本です。この形をいかして、つきのぼうやが、空からおりてきます。形式と内容のぴったりとした対応。文と絵の相乗効果があります。
『てとてとてと て』 浜田 桂子作・絵、 福音館書店
ては、いろいろなことができます。顔をあらったり、ごはんをたべたり、ボタンをはめたり、絵をかいたり…。でも、それだけかな? ては、楽器、道具、ことば、手話を使っておはなしもできます。ては、点字を読めます。ては「はなす」ことも「読む」こともできるのです。
『てぶくろ』ウクライナ民話、M・ラチョフ絵、内田莉莎子訳、福音館書店
てぶくろに中に次々に入る動物たち。子どもたちの遊びに展開できます。
『手ぶくろを買いに』 新美 南吉作、 黒井 健絵、 偕成社
子ぎつねの人間に対する認識は怖くない、母ぎつねの人間に対する認識は怖い。母ぎつねは言います。「ほんとうに人間はいいものかしら」。おはなしのおわったあとから、「問い」が始まります。
『てん』レイノルズ、谷川俊太郎訳、あすなろ書房
ワシテは絵が苦手。なにも描けません。でも、先生は、ワシテの絵をきんいろの額にいれて飾ります。そのことで、ワシテは描く意欲がわきました。みまもること、認めること、ほめること、意欲と意図を尊重すること、子どもの心のドラマに敏感になること、子育て、教育について多くのことを教えてくれる絵本です。
『とこちゃんはどこ』松岡享子作、加古里子絵、福音館書店
動物園、海、デパートでとこちゃんを探してみましょう。おばあちゃんにもらった赤い帽子をかぶっています。
『とべ バッタ』 田島征三作・絵、 偕成社
じっとしていれば、見えないのに。じっとしていれば、見つからないのに。でも、バッタはバッタ。危険があっても、バッタはバッタらしく生きたいのです。はげまされ、考えさせられる絵本です。
『ともだちからともだちへ』 アンソニー・フランス作、 ティファニー・ビーク絵、木坂涼訳、 理論社 2003年
相手を思いやる心の美しさがえかがれています。ほんとうの友達とはなにか? クマネズミの心と行動を通して、子どもたちは、その真実を体験します。
『とりかえっこ』 さとうわきこ作、 二俣英五郎絵、 ポプラ社
ひよこが、 さまざまな動物と出会い、鳴き声をつぎつぎととりかえていくおはなしです。いぬの声をもらったひよこが、ねこを追い払う場面は、意外性があって楽しめます。ペープサート、パネルシアター、人形劇にも応用できます。
『どろだんご』 たなかよしゆき作、のさかゆうさく絵、福音館書店 2002年
題名のとおり、どろだんごの作り方、遊び方の絵本です。鉄のボールのようなどろだんご。雀のたまごのようなどろだんご。ぴかぴかひかるどろだんご。いろんなどろだんごのできあがり。子どももみんな違うように、いろんなだんごがあるのがいいのです。
『どろんここぶた』アーノルド・ローベル作、岸田衿子訳、文化出版局
どろんこ好きなこぶたが、街で見つけたどろんこは? コンクリートのどろんこです。ローベルの絵本はユーモアが魅力的です。
『どろんこハリー』ジーン・ジオン文、M.B.グレアム絵、渡辺茂男訳、福音館書店
おふろがきらいなハリー。外で遊んでまっ黒です。だれもハリーとわかりません。土に埋めたブラシを持ってきて洗うと、やっぱりハリーです。
『にじをつくったのはだあれ?』 ベティ・アン・シュワルツ作、ドナ・ターナー絵、鈴木ユリイカ文、 世界文化社
リボンを使ったしかけ絵本です。ページをめくるたび、リボンがでてきます。最後のページを開くと…。飛び出す虹の橋。子どもの驚きと興味をひきだします。
『西風号の遭難』 クリス・ヴァン・オールズバーグ作、村上春樹訳、河出書房新社 1985年
ヨットが、かもめのように夜空をゆっくりとんでいくファンタジー。現実にはありえないふしぎなこと。でも、そのふしぎを読者は信じ、幻想的な世界へ飛翔します。現実から非現実へせりあがるプロセスがみごとです。
『二ひきの こぐま』 イーラ 作 松岡享子 訳 こぐま社 1990年
草原を飛びまわり、タンポポの匂いをかいだり、木登りをしたりする二ひきのこぐま。写真家のイーラ(1911~1955年)が、おはなしも書きました。
『ニャーンといったのはだぁれ』ステーエフ文・絵、西郷竹彦訳、偕成社
こいぬが寝ていると、誰かがニャーンと言いました。読者はその正体を知っていますので、こいぬの探求を楽しく見ることでしょう。
『ねずみと くじら』 ウィリアム・スタイグ作 瀬田貞二訳 評論社 1976年
ねずみのエーモスの危機を救う、くじらのポーリス。くじらのボーリスの危機を救う、ねずみのエーモス。ふたつの救出劇のドラマです。
『ねずみのとうさんアナトール』イブ・タイタス文 ポール・ガルドン絵、晴海耕平訳 童話館 1995年
アナトールはフランスでいちばん幸せなねずみ。でも、なぜ? 彼しか出来ない仕事をみつけました。はたらくことの意味について考えさせられます。
『ねずみの歯いしゃさん アフリカへいく 』 ウィリアム・スタイグ作 木坂涼訳セーラー出版 1995年
『歯いしゃの チュー先生』の続編です。ソト先生と奥さんのデボラさん、ふたりの夫婦愛です。
『のろまなローラー』小出正吾さく、山本忠敬絵、福音館書店
トラックたちは、のろまなローラーをばかにします。しかし、「ゆっくり」走ることの中に大切な役割があることに気づきます。
『歯いしゃのチュー先生』ウィリアム・スタイグ作、うつみまお訳 評論社
ねずみのチュー先生は、どんな虫歯もなおしてしまう歯医者さん。しかし、ねずみですから、危険な動物の治療はしません。でも、ある日、きつねの紳士がやってきました。さあ、どうしたらいいでしょう。スタイグのユーモアあふれる作品です。
『はけたよはけたよ』かんざわとしこ文、にしまきかやこ画、偕成社
たつくんは一人でパンツがはけません。動物たちにばかにされますが、しりもちついてはいてみると、はけた。身近な生活体験が子どもの心をとらえます。
『はじめてのおつかい』筒井頼子作、林明子絵、福音館書店
100円をにぎりしめ牛乳を買いにいく、みいちゃん。不安な心が絵によく表現されています。坂の下でママが待っているラストが印象的。
『八郎』 斎藤隆介文、滝平二郎画 福音館書店
むかし、秋田に八郎という名の山男が住んでいました。「おら、もっとおっきくなりてえなあー」と願っています。最後に、八郎は、村を守るために波をむねでおし返し、海のなかへ入っていくのです。滝平二郎さんの力強い版画です。
『はなのすきなうし』M・リーフ文、R・ローソン絵、光吉夏弥訳、岩波書店
スペインのふぇるじなんどという名の子牛は、闘牛になるよりも花が好き。闘牛場でも戦うことをしない牛です。
『はなをくんくん』ルース・クラウス文、マーク・サイモント絵、木島始訳、福音館書店
深い冬の雪のなか。動物たちが目をさまします。「みんな はなを くんくん」 みんな駆けだします。なにがあるのでしょう?
『パパ、おつき様とって!』 エリック・カール作 もりひさし訳 偕成社
お月さまと遊びたい女の子。でも手が届きません。「パパ、お月様とって!」。パパは、はしごをかけて月まで登ります。しかけのたのしい絵本です。
『はらぺこあおむし』エリック、カール作、もりひさし訳、偕成社
あおむしが、りんご、なし、すもも、いちごなどをどんどん食べていきますと?絵本のりんごには食べた穴があいています。E・カールの代表作。
『ハルばあちゃんの 手 』 山中 恒作、 木下 晋絵、 福音館書店 2005
戦前・戦中・戦後を生きた女性の人生を描いています。手に焦点をあて、ハルの人生を浮かび あがらせます。おだやかな文体です。画家の鉛筆画ですばらしい。
『はろるどのふしぎなぼうけん』クロケット・ジョンソン作、岸田衿子訳、文化出版局
紫色のくれよんで絵を描きはじめると、はろるどはいつしか絵の世界へ。海、やまを越えての冒険です。はろるどがとても魅力的な絵本です。
『ピーターのいす』エズラ・キーツ作、木島始訳、偕成社
妹がうまれて、パパやママの愛情が心配なピーター。青いいすを持って家出しようとしますが・・・。ピーターの揺れる心を描いたキーツの秀作。
『ひとまねこざる』H.A.レイ文と絵、光吉夏弥訳、岩波書店
好奇心いっぱいのじょーじ。動物園を抜け出して冒険をはじめます。
『ふしぎなたいこ』石井桃子文、清水崑絵、岩波書」¥」んごろうさんのたいこは、たたくと鼻が伸び縮みする不思議なたいこです。ある日鼻が伸びすぎて天国までとどいてひと騒動です。
『ふたりはともだち』アーノルド・ローベル作、三木卓訳、文化出版局
がまくんとかえるくんの友情をえがいたローベルの代表作。5つの話がありますが、「おてがみ」は小学校の国語の教科書に載りました。
『ふつうに学校にいくふつうの日』 コリン・マクノートン作、き¥・らさとし絵、柴田元幸訳 小峰書店 2005年
ふつうの子が教室でであったすてきな体験。音楽から、おはなしをつくるようにといったギー先生。男の子は言いたいことがいっぱいです。ことばが洪水のようにでて来ます。教室での、出会い、目覚め、自覚が描かれます。
『ふるやのもり』 瀬田貞二作、 田島征三絵 福音館書店 1969年
ユーモラスなおはなしです。ふるやのもりとは、森のことではなく、古い家の雨漏りのこと。どろぼうとおおかみの、とんだ勘ちがい。
『へいわって どんなこと』 浜田桂子作、童心社
日本の絵本作家が、中国と韓国の絵本作家へよびかけ、実現した平和を訴えるシリーズの第一作でした。わかりやすい、やさしい言葉で。・和について描いています。「へいわって ぼくが うまれて よかったって いうこと。」 心に響く作者のメッセージです。
『ベスとアンガス』マージョリー・フラック作・絵、まさきるりこ訳、アリス館
いぬのベスは、はずかしがりやでこわがりや。友達のアンガスにさそわれて、殻をうちやぶったベス。ベスはあたらしい自分を発見しました。ベスとアンガスは、もちろん子どものすがたです。友達のたいせつさがわかります。
『へっちゃら君』 マーゴット・サンダーランド作、 ニッキー・アームストロング絵、森さち子訳、 誠信書房 2011年
自分の気持ちを抑圧して、生きている子どもがいます。へっちゃら君もそのひとり。意地悪をされても、いつも、へっちゃら へっちゃら。しかし、心はパンク寸前。へっちゃら君から、怒りの“かけら”、悲しみの“かけら”がでています。
『ぼく おかあさんのこと・・・』酒井駒子文・絵 文渓堂
「おかあさんのことキライ」と言う子うさぎ。でもなぜでしょう。その理由がおもしろい。また、お母さんの表情は、その心を語っています。
『ぼくが 一番望むこと』 マリー・ブラッドビー文、クリス・K・スーンピート絵、斉藤規訳、新日本出版社 2010年
アメリカの黒人教育家、ブッカー・T・ワシントン( 1856~1915年 )の 少年時代を描いた 絵本です。ぼくが 一番望むことは ? 本が 読めるようになること! 文字を知る感動が描かれています。
『ぼくがラーメンをたべてるとき』 長谷川義史作/絵 教育画劇
ぼくがラーメンを食べている時に、地球の上では児童労働があり、戦争で子どもが死んでいます。ぼくがラーメンを食べている「今」は、多くの人の「今」(現実)を含んでいます。わたしたちは、それらと無関係ではないことを教えます。
『ぼくにげちゃうよ』 マーガレット・W・ブラウン文、クレメント・ハード絵、いわたみみ訳、 ほるぷ出版
あるとき、こうさぎは家をでて、とこかへ行ってみたくなりました。このあと、親子の会話がくりかえされる絵本ですが、子どもを慈しみ育てる母親の愛情があらわれています。1942年出版の絵本ですが、古びた感じがしません。母親の真実はかわらないのです。
『ぼくのくれよん』 長新太 おはなし・え 講談社 1993年
ぼくとは、ぞうさん。ぞうのクレヨンなんて、大胆な発想です。巨大なクレヨンで、ぞうが絵を描くと・・・。いつもの長新太の世界。ナンセンスな世界がはじまります。
『干し柿』 西村豊 写真・文 あかね書房 2006年
干し柿のできるまでを写真で追った絵本です。昔のひとの知恵のつまった干し柿。伝統的な保存食の干し柿。自然のめぐみの干し柿です。
『ほしになったりゅうのきば』中国民話 君島久子再話 赤羽末吉 画 福音館書店 1976年
天の川の由来を語ります。スケールの大きなおはなしです。サンと白ひめは、りゅうのけんかによって裂けた天を閉じ、人々の苦難を救います。
『ぼちぼち いこか』マーク・セイラー作、グロスマン絵、今江祥智訳 偕成社
船乗り、飛行士、カウボーイ、ピアニストに挑戦するカバくん。でも体が大きくて…、やっぱり失敗。関西弁の翻訳が笑いを誘います。
『ほんをひらいて』 トニ・モリスン&スレイド・モリスン文、シャドラ・ストリックランド絵、さくまゆみこ訳、ほるぷ出版 2014年
トニ・モリスンはノーベル文学賞受賞作家。本をよむ楽しみを、やさしくかたりかける絵本です。すてきな言葉がならんでいます。
『マーシャとくま』E.ラチョフ絵、M.ブラトフ再話、内田莉莎子訳、福音館書店
森の中でくまに捕まったマーシャは、どのようにしてくまから逃げ出すのでしょうか。
『真昼の夢』 セーラ・L・トムソン作、 ロブ・ゴンサルヴェス絵、 金原瑞人訳、ほるぷ出版 2006年
トリックアートの絵本です。身近にあるものから異次元の空間に変化。不思議な絵で、じっと見ていると怖くなってきます。大人向けの絵本ですが、子どもが読んでも想像力をかきたてられます。ふたりのコンビの絵本に『終わらない夜』(2005年)『どこでもない場所』(ほるぷ出版 2010年)があります。どちらも現実と非現実が一体になった絵本です。
『ままです すてきです すてきです』 谷川俊太郎文、タイガー立石絵、福音館書店
ちょっと変わったしりとりの絵本です。名詞だけでなく、形容詞、動詞、声喩、はては文までが 「 しりとり 」 になっています。ことばとことばの意外な結びつきから生まれるイメージの面白さにあります。タイガー立石の絵も個性的です。
『まりーちゃんとひつじ』フランソワーズ作・絵、与田凖一訳、岩波書店
まりーちゃんとひつじのぱたぽんの会話から、できています。まりーちゃんは空想を、ぱたぽんは現実を語ります。ふたつの場面が交互に構成されています。ひつじのぱたぽんが語ったのは、ほんとうのしあわせでした。
『まるまるまるのほん』エルヴェ・テュレ作、谷川俊太郎訳、ポプラ社
きいろのまるが、ひとつあります。きいろのまるを「おしたり」「こすったり」「クリックしたり」。絵本の「まる」が、まるで生きているように動きだすのです。あたらしい感覚の絵本です。
『見えなくてもだいじょうぶ?』ファイニク作、バルハウス絵、ささき たづこ訳、あかね書房
カーラと目の不自由なマチアスの会話が、とても魅力的です。すなおで偏見のないカーラ。前むきに生きているマチアス。マチアスは、こういっています。「だれでもぜんぶ見えているわけじゃないんだよ。」
『みんなうんち』五味太郎作、福音館書店
動物たちのうんちをする姿を通した生命賛歌の絵本です。「いきものはたべる(生きている)から、みんなうんちをする」のです。
『むこうがわの あのこ』 ジャクリーン. ウッドソン文、 E.B. ルイス絵、
さくまゆみこ訳 光村教育図書 2010年
人種差別の問題がテーマです。黒人の女の子のクローバー。白人の女の子のアニ
ー。日常のひとこまを通して差別のない社会、あかるい未来が、展望されていま
す。E.B. ルイスの絵も印象的です。
『むしばミュータンスのぼうけん』かこさとし作、童心社
虫歯の原因ミュータンスが、語り手のおもしろい絵本です。逆説的な言い方のなかに虫歯予防をうったえます。
『めっきらもっきらどおんどん』降矢奈々作、長谷川摂子絵、福音館書店
かんたが穴をのぞき込むと、ひゅうっと吸い込まれて不思議な世界ヘ。三人の妖怪と楽しく遊んで帰ります。物語と絵に動きがあるすてきな絵本です。
『めっちゃくちゃのおおさわぎ』 チュコフスキー作、ヤールブソヴァ絵、田中潔訳 偕成社
「サカナがはらっぱ さんぼして/カエルは空を とんでいく」というナンセンス。さかさ唄野世界です。絵本の文章は、ユーモアがあり、リズミカルな調子で音楽的な要素に富んでいます。
『もうふ』ジョン・バーニンガム作、谷川俊太郎訳(冨山房)
子どもの愛着物を描いています。ぼくは「ねるときは、いつも もうふを もってくんだ」と言っています。愛着物は、自分の思いを託することのできるもの。自分の延長であり、分身でもあるようなものなのです。
『もけら もけら』山下洋輔ぶん、元永定正え、中辻悦子構成、福音館書店
「もけら もけら でけ でけ/ぱたら ぺたら/ぴた ごら ぴた ごら」全く意味のないことばによって、構成されています。「音」のおもしろさを追求しています。絵本で音楽を表現しています。読み手は絵本の演奏者です。
『もこ もこ もこ』 谷川俊太郎作、 元永定正絵、 文研出版
「しーん/もこ/もこもこ にょき/もこもこもこ にょきにょき/ぱく・・・」すべてオノマトペから出来ている言葉遊びの絵本です。人間と見立ててみますと、地球と環境破壊のテーマのように読めます。
『もりのなか』マリー・ホール・エッソ作、間崎ルリ子訳、福音館書店
森へ出かけたぼく。動物たちとハンカチ落としやかくれんぼで遊びます。「もういいかい」と目を開けると誰もいません。夢と現実が交じりあった世界です。
『モチモチの木』斎藤隆介文、滝平二郎絵、岩崎書店
病気のじいさまを助けるために、夜道を走って医者をよびにいく豆太。帰り道、モチモチの木に灯がともります。豆太は「おくびょう」だったのでしょうか?
『やせたぶた』 きじまはじめ作、ほんだかつみ絵、リブロポート
わたしは、やっぱりわたしと気がつく、やせたぶたのおはなしです。コミカルなタッチの絵と文章。フータローの表情が魅力的です。
『ゆきのひ』エズラ・ジャック = キーツ文・絵、 木島始訳、偕成社 1969年
ピーターが目をさますと、外は雪。赤いマントを着て、ピーターは雪のなかを冒険します。コラージュの手法を使った絵。ピーターの心のときめきを描いたキーツの絵本です。
『よるくま』 酒井駒子作 偕成社
おやすみのとき、ぼくはおかあさんとおはなし。きのうの夜、くまのこがやってきたよ。よるくまというこぐま。よるくまと男の子のふれあいをえがいた心温まるファンタジーの世界です。
『よるくま クリスマスのまえのよる』 酒井駒子作、白泉社
クリスマスのまえの晩、いい子には、サンタさんがくるよ。でも、わるい子にはサンタさんこないのかな? ぼくは不安な気持ちでいっぱいです。そこへ、よるくま登場のです。現実と非現実のあわいになりたつファンタジーです。
『ラチと らいおん』マレーク・ベロニカ文・絵 とくながやすもと訳 福音館書店 1965年
ちいさならいおんは、ラチにとって背中を押してくれ、見守ってくれる存在です。ちいさならいおんの力をかりて、ラチは自分の殻をうちやぶっていきます。ハンガリーの絵本(初版1961年)です。
『ラッキーボーイ』 スーザン・ボウズ作・絵、柳田邦男訳、評論社
ラッキーボーイという名のイヌ。はじめは、名前はありませんでした。隣のおじいさんのイヌになり、「小さなぼうや」といわれるイヌになったのです。人生の真実をかたります。
『ランパンパン インドみんわ』 インド民話、マギー・ダフ再話、ホセ・アルエゴ絵、山口文生訳、評論社
妻をとりもどすために王様にたたかいを挑む、クロドリのおはなしです。ネコ、木の枝、川、アリが、仲間に加わります。じぶんたちの得意なことをいかし、権力者に勝ったのです。
『りんごがたべたいねずみくん』なかえよしを作、上野紀子絵、ポプラ社
木になった赤いりんご。でも、ねずみくんには、高すぎて取れません。とり、さる、ぞう、きりん・・・みん、んごを、取っていくのに。ねずみくんはどうしてりんごを取ったのでしょうか。
『りんごです』 川端誠作・絵 文化出版局
りんごたち、さまざまな姿をしています。半分にきったりんご、かじったりんご、りんごのたね、木になったりんご・・・。 いろいろな形、色、姿-りんごはみんな違います。でも、みんなりんご- みんな同じりんごです。
『ろくべえまってろよ』 灰谷健次郎作、 長新太絵、 文研出版
犬のろくべえが深い穴に落ちてしまいました。5人の子どもたちが、 自分たちの知恵と力で、ろくべえを救出するというおはなしです。子どもたちの行動は、未来を含む現在の活動となりました。
『ロージーのおさんぽ 』 パット・ハッチンス、 渡辺茂男訳、 偕成社
めんどりのロージーがお散歩。きつねが狙っています。でも、ロージーは気づいていません。ハラハラドキドキの体験です。
『ロバのシルベスターとまほうのこいし』ウィリアム・スタイグ作・絵、瀬田貞二訳、評論社 1975年
まほうの小石で岩になってしまったロバのシルベスター。家族の必死の捜索で、奇跡が生まれました。家族愛をえがいた1970年のコルデコット賞作品です。
『ロバの ロバちゃん』ロジャー・デュボアザン作・絵、厨川圭子訳、偕成社 1969年
自分の耳が気に入らない ロバちゃん。お友達のいうとおり、耳をたらしたり、横にしたり、前向きにしたりしています。でも、ありのままの姿、ありのまま自分が一番です。
『わすれられない おくりもの』 スーザン・バーレイ作 小川仁央訳 評論社
森の動物たちに愛された、年老いたアナグマが亡くなりました。みんなの気持を癒してくれたのは、アナグマの「おくりもの」でした。どのような贈り物だったのでしょうか。
『わたしのワンピース』にしまきかやこ文と絵、こぐま社
うさぎが作ったワンピースは、お花畑の花模様、雨がふると水玉模様。リズミカルな言葉が魅力的なファンタジーの世界です。
『わまわしまわるわ』まど・みちお詩、スズキコージ絵 童心社
詩は「ぞうさん」のまど・みちおさん。「タンポポ」「おと」「はひふへは」「わまわし まわるわ」の4つの詩があります。