ファンタジー絵本です。
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遊びのきたのに誰もいません。
しゃく だから、
かんたは 大声でうたを歌いました。
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ちんぷく まんぷく / あっぺらこの きんぴらこ / じょんがら
ぴこたこ /めっきらもっきら どおんどん
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すると、
風が
どどーっ と ふき、
穴のなかから、
奇妙な声が聞こえました。
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かんたが、 のぞきこんだとたん -
ひゅうっと
すいこまれて、不思議な世界へ。
やってきたのは、3人の おばけ。
もんもん びゃっこ
しっかか もっかか
おたから まんちん
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かんたは、 3人のおばけと楽しくあそびます。
モモンガーごっこ
お宝の交換
なわとび
空飛ぶ あそび
おもちのなる木を見つけて、食べたりもします。
しかし、
かんたは、
ひとりで月を見ているうちに、心細くなってきました。
「 おかあさーん 」。
そのとき、
光がさしこんで、
かんたの からだは、 くる くる くる くる ・・・
もとの現実の世界へ。
そして、
おかあさんの声。
「 かんちゃーん、 ごはんよー 」。
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不思議な世界の冒険です。
すこし恐いけれど魅力的な人物たち。
おはなしの展開のはやさ。
リズム感のある文章。
動きのある絵。
構成の巧みさ。
うた。
ユーモア。
遊ぶこと、食べること。
そして、おかあさんのよび声。
「 きみなら おもいだせるかな ?」 と呼びかける語り手。
子どもを引きつける魅力がいっぱいのファンタジーです。
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※ 『めっきら もっきら どおんどん』 長谷川摂子作、 ふりやなな画、 福音館書店 1990年