ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 グーテンベルクの ふしぎな機械 』- 世界の歴史をかえた機械
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1450年ごろ、ドイツのマインツ市に、ふしぎなものが登場しました。

・・・

いきなりですが、なぞなぞです。

( じっさい 絵本はなぞなぞ仕立てです )

・・・

ぼろきれと 骨、

  まっ黒なススと 

  植物の種から できていて、 

  茶色のコートを 身にまとい、

  金が ちりばめられている。

  それを 作るには、

  鉛と錫、

  じょうぶな オークの木材が必要

なーんだ ?

( 答えは 最後に )

・・・

つぎの問題です

・・・

ぼろきれを

きりきざみ

あらって

水車のちからで たたいて ほぐし、

ドロドロに。

すのこで すくいあげ、

うすい シート。

さらに、

糊に ひたし

おしつぶし、

乾燥させると・・・

パリパリ、 カサカサ。

なーんだ ?

    紙でしょ 

( 正解 ! )

・・・

つぎの問題は、もう答えを言ってしまいましょう。

革。

金箔。

インク。

活字。

印刷機。

で、

それをつくりあげた人は ?

グーテンベルク  ( 1398 ?~1468  )

( 正解 ! )

つぎは、活字をならべ、印刷のしかたの説明です。

そして、製本。

一さつの本ができるまでに、おおくの手間がかかっていたのです。

それでは、はじめの こたえは ?

金属の活字と印刷機をつかって印刷された本

グーテンベルク聖書   ( 1455年頃 )、

ルターのドイツ語聖書 ( 1522年 )も、この印刷機から生まれました。

        グーテンベルクの作った本は、 

        世界の歴史を  すっかりかえてしまった。

※ 『 グーテンベルクの ふしぎな機械 』 ジェイムズ・ランフォード作、千葉茂樹訳 あすなろ書房 2013年   。

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【追記】
小学校中・高学年向けの絵本です。絵だけでなく、装飾のうつくしい、凝ったつくりの絵本です。大人も勉強になります

王彩芹さんの研究(「 日本初の グーテンべルク印刷機の 歴史的意義 」)によると、 1586年に天正遣欧使節団の帰国船に、 グーテンベルク印刷機の一台がのせられて、4年後日本に到着していました。これによって、刊行されたキリシタン本は、宗門書、辞典、文典、文学など50 種あったと言われています。その後、1614年徳川家康の キリシタン追放令のため、グーテンベルク印刷機もマカオに送られました。西洋印刷機との再会は1848年のことでした。 この間、金属活字の印刷ではなく、日本は木版文化の全盛期だったのです。

(2015/1/31)

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