武井 武雄( 1894年 ~ 1983年 )の童話( 大正末期 )が原案です。
三芳 悌吉( 1910年 ~ 2000年 )が文と絵をかきました。
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むかし、
アイウエ王国に
アイウエ王 という
やさしい王さまがいました。
( えっ。 ほんとに? )
となりの
カキクケ公国 に
カキクケ公 という
欲のふかい公爵がいます。
アイウエ王国を奪い取ろうとしています。
( もう ! )
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アイウエ王国 には、
サシスセ僧 という おぼうさまがいました。
動物たちまでが、慕って集まってきます。
( うそー ! )
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ある日、
カキクケ公は
アイウエ王を 森にさそいこみ 捕虜にしてしまいます。
そして、
タチツテ塔 に 閉じ込めてしまいました。
占領されたアイウエ王国。
( 好きにしてください。 )
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ひとびとは、武器をもって立ち上がり
ナニヌネ野 でたたかいます。
サシスセ僧 は言います。
「 ハ ヒフヘ法 という せんぽうで たたかおう。 」
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ハヒフヘ法 とは
マミムメ猛 という
猛獣の形をした戦車を使った戦法です。
暗闇の夜に攻めこむ、ヤイユエ夜 計画。
結果は、もちろん、大成功。
カキクケ公 たちは
ラレルレ牢 に入れられました。
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アイウエ 王は
わかい隊長に譲位します。
あたらしい王さまは
もちろん
ワイウエ王。
最後は、
「 ン 」。
完、 END、 FIN、 ENDEN、 完了、 おしまい。
ことば遊び ?
いや、
ストーリー を しっかりえがいています。
また、同じ町の広場が3回えがかれています。
明と 暗と 明。
平和と戦争、そして平和をとりもどした町のすがたです。
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はじめとおわりの絵に、タキシードを着た老人が、舞台に立っています。この老人が、「 アイウエ 王様 」のおはなしを語った人物でした。無声映画時代の活動写真館( 映画館 )のひとコマです。それは、三芳悌吉の体験したことです。
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※ 『 アイウエ王と カキクケ公 』 武井武雄原案 三芳悌吉作 童心社 1982年
(2014年11月21日)