ノルウェーの絵本です。リズム感のある文章が、この絵本の魅力です。
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何でも食べてしまう
ぶちねこの ガツガツ・ガズラー。
ある日、飼い主のだんなさんが、かみさんに言います。
めしをやるのも きょうが 最後だ。
海に すててこい。
ガズラーはテーブルの下で、すべてを聞いていました。
ガズラーは言います。
おれが くったのは、
さらのさかな、かまのかゆ、みずさしのミルク
── たったのそれだけさ。
まだ はらぺこで しにそうだ。
だから、いっちょ、ちょっくら、
おまえと かみさんを くってやる。
なんと、だんなとかみさんをガツガツ食べちゃった!
つぎに、ガズラーは、ブタにあいます。
腹いっぱい食べたのかと、ブタに聞かれて、
どうして どうして。
おれがくったのは、
さらのさかな、かまのかゆ、みずさしのミルク、それに、だんなとかみさん
── たったのそれだけさ。
まだ、はらぺこで しにそうだ。
だから、 いっちょ、 ちょっくら、
おまえを くってやる。
このあとは、くりかえし。
煙突そうじ、
牧師さん、
花嫁と花婿さん、
船長と船員たち、
王様。
・・・
そのたびに、ガズラーは、どんどん 大きく、どんどん ふてぶてしくなっていきます。お月さままで、ガツガツ食べてしまいます。
でも、お日さま を食べようとして ・・・
バッカーン!
はらぺこガズラー、
命運尽きて、万事休す。自業自得。いっかんの終わり。
過ぎたる欲望は身の破滅。
ナンセンスなおはなしですが、さいごは読者もスッキリ!
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※ 『 はらぺこガズラー 』 ハアコン・ビョルクリット作・絵、 かけがわやすこ訳、ほるぷ出版 1978年 (2019/3/7)