
川崎洋さんの詩「かん字のうた」が絵本になりました。
かん字 を楽しもう、体験しようという詩です。
・・・
林がありました
木がふえて
森になりました
人が
木によりかかって
休んでいます
花が
早く早くといったので
草になってしまいました
ユーモアがあり、エスプリのきいたかん字の詩です。
山と山がかさなると、
入れるときに離れると、
子どもにふたをしたら、
円いと言うのに、
雨と言う字のなかに、

一たす一は二……
このあとは、どうなるのでしょうか。
漢字から生まれる意外な発想と展開が続きます。
・・・
「雨と言う字のなかに/雨が/ふっています」の詩句を見ると、なるほどと思います。また、「石にだって/口が/あります」には深い人間的な真実が見えるようです。また、各連の3行目を隠して、何になるのか想像してみることも面白いでしょう。「田んぼで/力を入れたら/( )になりました」。
「 窓 」
「窓」という漢字を見ていた子どもが「おじいさんがいる」と言いました。「窓」という漢字の中に「おじいさん」が見えるでしょうか?
漢字を「絵」と見ている子どもの姿です。漢字(言葉)には意味だけでなく、音や形があります。意味を覚えることも大切なですが、音や形を楽しむ漢字(言葉)の体験があってほしいと思います。
※『かん字のうた』 川崎洋詩、久住卓也絵 岩崎書店 2017年 (2020/9/1)