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しーんとしている おもちゃの病院の 待合室。
壊れたおもちゃたちが、診察の順番を待っている。
おもちゃと一緒に、スリルとサスペンスを体験します。
・・・
ドアが開いて、ひとり 出て来た。
コトコトコトコト!
ぺんぎんが はいって行く。
カッターン、カッターン!
待合室は4人になった。
・・・
ドアが開いて、ぺんぎんが 出て来た。
カッタン、カッタン、カッタン、カッタン!
カッターンから カッタンへ
ペンギンのおもちゃは なおったようです。
・・・
つぎは、あひるの おもちゃ。
ゴロン、ギギギ・・・ゴロン、ギギギ・・・
待合室は3人になった。
![](https://ehon.furuhashi-kazuo.com/wordpress/wp-content/uploads/2022/08/20220826_121850-1024x386.jpg)
でも、出てきたときは、
コロン、コロン、コロン、コロン。
・・・
くまの ぬいぐるみは、
「あいたたたたた・・・」
待合室は2人になった。
でも、出てきたときは、
「ラララララーン!」
・・・
かえるの おもちゃは、
ババビョン、ババビョン・・・。
診察室に 入っていく。
だれも いなくなってしまった。
待合室は ぼくひとり。
でも、出てきたとき、
かえるの おもちゃは、
パピョーン!
飛び跳ねています。
ぼくの番だ。
![](https://ehon.furuhashi-kazuo.com/wordpress/wp-content/uploads/2022/08/20220826_121858-1024x382.jpg)
ドアの向こうにいるのは、どのようなお医者さんなのでしょうか?
ぼくは、優しいお医者さんをみて、ほっと一安心です。
壊れたおもちゃたちには、順番を待つ緊張感があります。おもちゃもドキドキ、読者もドキドキです。診察室に入るときと出るときの擬態語が、この作品の妙味です。「ゴロン、ギギギ・・・ゴロン、ギギギ・・・」から「コロン、コロン、コロン、コロン」、「ババビョン、ババビョン・・・」から「パピョーン!」へ。「音」の部分をすこし大げさに演出してください。
シンプルな絵本ですが、読み手には語りの演出の楽しみが、読者にはドキドキの体験があります。
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※『ドアがあいて・・・』 エルンスト・ヤンドゥル作、ノルマン・ユンゲ絵、斎藤洋訳、ほるぷ出版 1999年 (2022/10/20)