
「てをつなぐ」というのは、それ自体よいことのように思います。
でも、
「なんのために」
「誰と誰とが」手をつなぐのでしょうか。
・・・
ぼくは かあさんと てを つないだ
かあさんは いもうとと てを つないだ
いもうとは とうさんと てを つないだ
つぎのては あったかくて やわらかい
とうさんは だれと てを つないでいるのかな?
(なぞなぞ仕立てです。答えはつぎのページ)
おばあちゃんだ
・・・・・
以下は、手をつなぐことのくりかえしです。
人間だけでなく、地球上の生きものが手をつないでいきます。
はじめは、様々な職業の人たちです。
しんぶんやさん、おまわりさん、しょうぼうしさん、ほいくえんのせんせい・・・・
つぎは、外国の人たち。
南アフリカ、エストニア、ウズベキスタン、パキスタン・・・・
( 人種を越えてですね )
最後のタジキスタンの女性が、手をつないだのは?
あれっ にくきゅうがある
だれの てかな?
ネコさんだ
・・・・・
つぎは、動物たちです。
ネコ、イヌ、ウサギ、ライオン、クマ、トラ・・・・・
ゾウのあとは ワシ。
ワシのつぎは ヘビ。
ヘビのつぎは
なんと タコ。
タコのつぎは イカ。
イカのあとは ゴリラ。
ゴリラ、オランウータン、チンパンジー、そしてぼく。
・・・・・
でも、つぎは誰もいません。
手をつなげません。
おーい だれが きて-
あっ きた
でも とどかない・・・・・
でも、
つながる 手と手。

「てを つなぐ」という行為が繰り返されています。でも、手をつないでいるのは、人だけでなく、陸と海と空に住む地球上の生きものたちです。また、「てをつなぐ」ということには、「こころをつなぐ」という意味があるように思います。その行為は平和を象徴しています。
世界平和を願い、地球に生きるすべての仲間たちと「てを つなぐ」絵本です。「なんのために」「誰と誰とが」手をつなぐのかが分かりました。
いい絵本ですね。
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※『 てを つなぐ 』 鈴木まもる 作・絵 金の星社 2017年 (2019/9/18)