絵本は、川崎洋の「しょうがつがくると」と「かぜがふくと」の2つの詩からできています。
しょうがつが くると たこを あげる
たこを あげていると からすが さわぐ
からすが さわぐと りすが おどろく
りすが おどろくと かかえていた くるみを おとす
くるみが やまみちを ころがると
のうさぎが まけないぞと はしる
のうさぎが はしると ほかの どうぶつたちも でてきて
やまの うんどうかいが はじまる
2番目の詩です。
かぜが ふくと せんたくものが とぶ
せんたくものが とぶと とりが おどろく
とりが おどろくと そらの くもが わらう
そらの くもが わらうと かみなりさまが めを さます
かみなりさまが めを さますと いなずまが はしる
いなずまが はしると ていでんに なる
ていでんに なると ローソクを ともす
ローソクを ともすと かげえあそびが できる
「しょうがつが くると・・・やまの うんどうかいが はじまる」「かぜが ふくと・・・かげえあそびが できる」は、ことわざ「風が吹くと桶屋が儲かる」の川崎洋バージョンです。
「せんたくものが とぶ」と 「とりが おどろく」こと、
「とりが おどろく」ことと 「そらの くもが わらう」ことが、結びつけられています。
結びつけたのは、語り手です。
ふたつを関連づけるところに、語り手(詩人)の想像力が働いています。
また、意外なものの結びつきが読者を刺激します。連想の楽しさ、意外性のおもしろさがあります。年長の子どもなら、みんなでこのような詩を創作することができるでしょう。
ものごとを関連づけるというのは、大切な認識の方法です。
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※『しょうがつが くると』川崎洋作、沢田としき絵、鈴木出版 2012年 (2023/1/10)