読んでたのしい、聞いてたのしい絵本です。
マーガレット・W・ブラウン(1910年-1952年)の1951年の作品です。
・・・
A
おおきな きかんしゃは
おおきな うんてんし。
カラマズーから トンブクトゥーを めざしてはしります。
ぼっ ぼっ ぼお-----っ。
おおきな せきたんしゃ
おおきな かもつしゃ
おおきな きゃくしゃ
おおきな しょくどうしゃ
おおきな しんだいしゃ
さいごは
ちいさな しゃしょうしゃ
・・・
がたん ごとん がたん ごとん
がしゃん がしゃん がしゃん がしゃん
ぶすっ ぶすっ しゅう
かねの おとは、からん からん からん
B
ちいさな きかんしゃは
ちいさな うんてんし。
カラマズーから トンブクトゥーを めざしてはしります。
ぽっ ぽっ ぽお-----っ。
ちいさな せきたんしゃ
ちいさな かもつしゃ
ちいさな きゃくしゃ
ちいさな しょくどうしゃ
ちいさな しんだいしゃ
ちいさな しゃしょうしゃ
・・・
かたん ことん かたん ことん
かしゃん かしゃん かしゃん かしゃん
ぷすっ ぷすっ しゅう
かねの おとは、
ちりん ちりん ちりん
おおきな機関車とちいさな機関車の動きと音が、織物のように交互に編まれ、おはなしが進んでいきます。( A.B.A.B.A.A.B.B.A.Bのようになっています。)
読んでみますと、リズム感とスピード感があります。
おおきい きかんしゃ、おおきな うんてんし、おおきな 音・・・
ちいさな きかんしゃ、ちいさな うんてんし、ちいさい 音・・・
形のうつくしい文章です。
言葉は音声のなかで生きてきます。
読み手が、絵本にいのちを吹き込んでください。トーン、イントネーション、間、読みのテンポで、絵本を彩り描きだしてください。素材(絵本)を生かして、美味しい料理(読みかたり)を作る楽しみがあります。声にだして読むことで、魅力がさらにます絵本です。
・・・
※『 おおきなきかんしゃ ちいさなきかんしゃ 』 マーガレット・W・ブラウン文、アート・セイデン絵、小池昌代訳 講談社 2003年
【 追 記 】
声にだして読むことで、魅力がさらにます絵本があります。『おおきなかぶ』『てぶくろ』という定番の絵本にくわえて、わたしの好きな絵本をあげます。
・『おさると ぼうしうり』 E・スロボドキーナさく・え、松岡享子訳、福音館書店 1970年
・『おおきな おとしもの』 H.C.アンデルセン原作 ジャン・ウォール文、レイ・クルツ絵、ともちかゆりえ訳、ほるぷ出版 1979年
・『きかんしゃ やえもん』阿川弘之文、岡部冬彦絵、岩波書店 1959年
・『いたずら こねこ』 B ・クック文、 L・ シャーリップ絵、 間崎るり子訳、福音館書店 1964年
・『かもとりごんべえ』 西郷 竹彦作、瀬川 康男絵、 ポプラ社 1968年 (2020/6/7)