クリスマスが 近づいてきました。
本屋さんの 絵本コーナーは、
クリスマスの 絵本で いっぱいです。
そのなかから、
今回、
酒井駒子さんの 『 よるくま クリスマスのまえのよる 』 を 選びました。
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クリスマスの まえの晩、
ぼくは、 不安なきもちで いっぱいです。
( でも、 どうして?)
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いいこには サンタさんが くるよ。
でも、 わるいこには サンタさん こないのかな ?
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ママに叱られた ぼくは、 わるいこ だから、
サンタさんは、 こないと 思って いるのです。
( 子どもたちは、 こんな気持ちに なるので しょうか )
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トントン、
ドアを ノックして-
よるくまが やってきました。
ぼくは、
よるくまに、
プレゼントを あげる 「サンタさん 」 を してあげます。
なにが いい?
よるくまは、
クリスマスツリーの 飾りから、
「 おうちと ちいさな イエスさま 」 を とりました。
(ふたつは おはなしの 伏線。 あとの絵を みるとわかります。)
それから ひこうきも ?
よるくまは、 ひこうきに のって、 おうちに かえるのです。
ふたりは、
もうひとつの 世界へと たびたちました。
おうちに 帰った
よるくま。
おかあさんに 愛されている
よるくま です。
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よるくまは いいな
まだちいさいから いっぱい だっこしてもらえて いいなあ
・・・
あかちゃんの ぼくが 描かれています。
回想 ( 過去 ) の場面です。
むかしの ぼく。
だっこして もらっている ぼく。
サンタさんの プレゼント ( よるくまです) をもらっている ぼくです。
絵本の絵は、
セピア色の 思い出写真の よう。
「 絵 」 と 「 文 」の 複雑な構成 ですが、
イメージは よどみなく 流れていきます。
( でも、 この場面の構成は、 子どもには むずかしいかな? )
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そして、
ママのことば。
あったかい おふとんにくるまって ゆっくり めをとじてごらん。・・・もう しんぱい なんか しないでね 。おやすみ メリークリスマス。
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文章は、 ここで おしまい。
さいごの 絵に、
ぼくの頭を なでている手、
プレゼントを 置く手が 描かれています。
だれの 手 ?
おとうさんの手の ように みえます。
両親に 愛されている 「 ぼく 」 なのです。
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現実 と 想像、
現在 と 過去(回想) が
一体となった世界。
現実 と 非現実の あわいに 成り立つ ファンタジーです。
絵と文が、 たくみに構成されています。
構成は 複雑ですが、
筋はわかりやすい 一本道。
3歳くらいから、楽しめる のではないでしょうか。
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※『 よるくま クリスマスのまえのよる 』 酒井駒子作 白泉社 2000年