パワハラのおんどりに「NO」という、めんどりたちの話です。
めんどりたちの 名前は こむぎ、くるみ、ゆき、あずきです。
めんどりたちは、
いっしょ 住む おんどりに おびえて
意見を いえませんでした。
エサ場の ひろさも 違います。
こむぎが おそるおそる 声をかけます。
「あの・・・私たち・・・思うんですけど・・・」
「何も かんがえなくていい!
考えることは ボクがやるんだ!!」
小さな おんどりは
大きな おんどりを 2羽 つれてきて、
大声で こむぎに まくしたてました。
めんどりたちは 地面に ひれ伏して いいました。
「意見をいったりすることはしません!」
おんどりたちは 満足して かえりました。
それから
小さな おんどりは、
めんどりの エサ場を どんどん 狭くしました。
エサも 残り物しか ありません。
めんどりは どんどん やせて
羽毛も ボロボロです。
めんどりたちは、
がまんが できなくなり
「めんどりのための学校」に 行きました。
体力づくり、リラックス法、深呼吸 発声、ディスカッションの練習をしました。
小屋に帰った
4羽の めんどりは、
大きく 息を吸って
羽根を ふくらませて 集中して
声を そろえて 叫びました
平等にして!!
そして、
エサ場を きっちり 5等分にしました。
それからは、
めんどりたちの さわやかな声が ひびきわたります。
おんどりは?
おんどりは しばらく うなだれていましたが、
また じぶんの 仕事に とりくんでいます。
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スウェーデンの絵本です。
おんどりの横暴に耐えかねためんどりたち。彼女たちは、「めんどりのための学校」で大切なことを学びました。そして、結束して、おんどりに向かって、自分の意見をしっかりと言います。「平等にして」と。
男女の平等を訴えた絵本、人権について学ぶ絵本です。また、差別に反対し声をあげる、めんどりたちの成長を描いた絵本です。
4羽のめんどりには、こむぎ、くるみ、ゆき、あずきの名前がありますが、おんどりは「おんどり」と呼ばれるだけです。横暴にふるまっているのは、絵本のおんどりだけでなく、「おんどり」一般のことを指しているともいえます。
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※『4羽のめんどりと1羽のおんどり』 レーナ・ランドストローム文、オロフ・ランドストローム絵、加藤悦子訳、解放出版社 2020年 (2024/11/3)