韓国の昔話です。

ユボギは、おおくの試練を克服して　トラ退治に　むかいます。

　　　　　

　　　　

ユボギの　父親は、

むかし、金剛山の　トラ退治に　行ったまま

帰らぬひとと　なりました

７歳の　ヨボギは、父の仇をとることを　決意します

　　　

　　　　

　身体を　きたえ、弓のけいこに　10年

　ヨボギは、りっぱな若者に　なりました

　母が　あたえた　試練を　克服して

　金剛山の　トラ退治に　旅だちました

　　　　　

　

金剛山の　ふもとに

古びた　一軒家が　ありました

しわしわの　ばあさんが　あらわれました

ヨボギが、「とうさんの　かたきうち」に来たことを　はなすと・・・

　　　　　　

　　　

ばあさんは

あかりを　消し、ヨボギの　うでを　ためします

　　　　

　「この縫い針を　弓で　射ることは　できるかな」

　　　　　

ヨボギの矢は、縫い針を　射ぬきました　　　　

ばあさん（山の神様）は

おげご飯の　にぎり飯を　わたして

「気をつけて　おゆき」と、いいました

　　　　

　　

途中

ばあさんが　あたえた　３つの試練を　のりこえ、

ヨボギは、山の　奥深くに　ほら穴を　見つけました

　　

　　　

闇のなかで、ふたつの　ひかる目が　見えます

　　　

　「トラの　ひとみに　ちがいない」

　　

ヨボギは、

渾身の力で　弓を　ひき、矢を　はなちました

　　　　

　ウォォォォーツ！

　　　　　　

　　　

怒った　トラは　

ヨボギを　ひとのみに　してしまいました

　　　

トラの　腹の　なかで

ヨボギは、トラに　のまれた　むすめに　会いました

むすめが　もっていた　刀で

ヨボギは、トラの腹を　力いっぱい　切り裂きました

　　

トラは　七転八倒

ついに　どうっと　倒れ、うごかなく　なりました

　　　

　　　

ヨボギは、むすめをつれ、かあさんのもとに　帰ります

そして、ふたりは、結婚し

かあさんと　いっしょに　しあわせに　くらしました

　　　　　

　　　　　　　　　　・・・

トラ退治をするために、ヨボギは、多くの試練を乗り越えました。

母が与えた３つの試練は、つぎの３つです。

　　　　　

　1. 母の頭のうえにのせた　水ガメを　射抜くこと

　2. 竹の切り株のうえで　転がること

　3. 背丈より、おおきな岩を　持ちあげることでした。

　　　

ばあさん（ 山の神様 ）は、３つの幻で、ヨボギを試します。ひとつ目はトラの坊さん、ふたつ目はトラの手をしたおばあさん、最後は、トラのしっぽが見みえる若奥さんが、ヨボギを騙そうとする試練です。ヨボギは、弓を射かけて、３人を退治しました。（ 母親と山の神があたえた試練は、あらすじでは省略しています ）

　　　　

ヨボギを襲う、金剛山のトラは、迫力ある姿（上の絵）です。また、あずきをまぶしたきび団子、とうもろこしのごはん、おこげのごはんと言った食べ物も、この民話的な世界を形象しています。

　　　　　　

　　　　　　・・・

※『金剛山のトラ』　クォン・ジョンセン再話、チョン・スンガク絵、かみやにじ訳、福音館書店　　2017年　　（2025/10/15）