ふるはしかずおの絵本ブログ3

『虫ガール』 虫の好きな人が世の中にいっぱい

虫好きのわたし(ソフィア)の一人称視点です。

    

       ・・・

わたしは ソフィア。

虫が 大好き。

      
2歳半のころ

チョウの温室で であったのが 

チョウとの さいしょの であい

      

その日から

わたしは 虫に 夢中。

虫って、どこにいても 見つかるの。

    

     

幼稚園では、人気者だったの

虫クラブを つくって 

日曜日には ともだちと 虫とり。虫の観察。

   

    

でも、

1年生になったら、なにもかも かわっちゃった

虫のことを ききたい子なんて いない。

みんなが からかうの。

   

 「うへ、きもい! そんな虫 すてちゃえ!」

 

わたしの肩に とまっていた バッタを 

虫を ふみつれて ころしちゃった。

         

     

半年たって、わたしは 虫を おやすみにすることにした。

        

      

ママは、心配して、

昆虫学者のグループに メールを 送ったの。

うちの子の「虫ともだち」に なってくれませんかって

  

モーガン・ジャクソンさんが、

ママのメールを インターネットで しょうかいして くれたの。

世界中の 昆虫学者に よびかけて くれたのよ。

 

 

そうしたら・・・

メールや 手紙 ビデオが どんどん とどいた。

わたしと おなじくらい 虫の好きな人が、

せかいじゅうに こんなに たくさんいるなんて

  

    

 びっくり

   

メッセージは まいにち まいにち とどいた。

テレビにも 出ちゃった。

学校に 行くのも、ずっと 楽になったわ。

もう ひとりじゃないって わかったからね。

   

いまでは、

たいそう

タイムトラベルの本

すいえい

コンピーターも 好き。

       

だけど

自分ことを みじかい言葉で あらわしてと言われたら、

虫ガール」って こたえてる。

     

          

ソフィアと同じような体験している人もたくさんいることでしょう。でも、虫好きの子どもも、いつしか虫嫌いの子どもになっていくようです。不思議です。ソフィアは、虫好きの多くの仲間や昆虫学者にはげまされ、幸せです。そのような機会を作ってくれたのは、おかあさんでした。

巻末にある「わたし(ソフィア)がすきな虫ベスト4」によると、その順番は、バッタ、青いモルフォチョウ、カマキリ、ハエでした。かまきりは、英語では「プレイング・マンティス」。「おいのりする牧師さん」だそうです。ソフィアに教えてもらいました。

  

日本にも、虫好きなお姫さまがいます(『堤中納言物語』の「虫愛づる姫君」)。

『虫めづる姫ぎみ』(ポプラ社)という絵本にも、なっています。

     

       ・・・

※『虫ガール』 ソフィア・スペンサー/マーガレット・マクナマラ文、ケラスコエット絵、福本友美子訳 岩崎書店  2020年  (2024/11/9)

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