
18世紀の女性数学者、ソフィー・ジェルマン(1776-1831)の伝記絵本です。
ソフィーの 少女時代は、
フランス革命(1789-1795)の さなかでした。
彼女は、数学が 大好きでした。
数学は、方程式で 世界のものごとを あらわすと考え
数学の 本を 読みふけりました。
19歳のころ
大学に行きたい、と思いましたが、
しかし、女性に門戸を 開いてくれるところは ありません。
「ムッシュー・ルブラン」という、男の名前にして、
大学に レポートを 何回も送りました。
ある日
世界的に有名な数学者・ラグランジュ教授が 自宅に 訪ねてきました。
ムッシュー・ルブランが、ソフィーであることを知り、驚きました。
秘密が ばれましたが、
ソフィーは、数学の研究を やめませんでした。
32歳の時
ガラスの上の砂が、振動で
円形
ひし形
数字の8の模様に なっていく 実験に 出あいました。
パリのアカデミーは
振動による、砂模様のできかたを示す 方程式に
3000フランの 賞金をだす、発表しました。
この方程式が わかれば、建物や橋をつくるのに 役立ちます。
ソフィーは
2年間かけて
方程式を考え、アカデミーに 送りました。
方程式には、まちがいが ありましたが、
さらに 2年以上の 月日をかけ
あたらしい方程式を つくりました。
1816年
王立科学アカデミーは
ソフィー・ジェルマンに 大賞を あたえました。
大賞を得た最初の女性でした。

あきらめることなく、数学の研究を続けた ソフィー。
彼女の生き方は、今も多くの人たちに 勇気をあたえています。
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「それであきらめるソフィーではありません」が、文中に何回もくりかえされます。
ソフィーはこう言っています。
「外に対する力をもたない人ほど、内にある心はつよくなるものです」
ソフィーの伝記を通して、波動に関する方式を作り上げるまでの努力、女性に対する偏見に負けない生き方を学びます。サブタイトルにあるように、「ぜったいにあきらめなかった数学者ソフィー・ジェルマン」です。
巻末に「ソフィーについての追記」と著者たちの言葉があります。絵を描いたマクリントックは、自分の絵について解説していて、とても参考になります。作者の意図がわかります。
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※『数字はわたしのことば』 シェリル・バート―文、バーバラ・マクリントック絵、ほるぷ出版 2019年 (2025/1/17)