
父とわかれ、愛する人と出会い、子を育てた女性の人生です。
父と 娘が
干潟を 自転車にのって、はしっていく
土手のうえで 自転車を とめ
父は 娘に わかれを つげる
父は 水平線に むかって 漕ぎだした
少女は
陽が 沈むまで まっていたが
父は 帰ってこなかった
季節は めぐる
木々は 成長する
やがて
かけがえのない人に 出会い
ぬくもりに ふれる 少女
ふたりは 結婚して
いま
自転車には こどもたちが のっている
少女は もう 若くはない
こどもたちは 巣立ち
母のやくめも 終えた
土手は あのころの まま
人生は あらゆる歓びを もたらしたけれど
父だけは 帰って こなかった
彼女(老女になっています)は 土手を おりる
葦のなかを すすむ
そして、
空き地に よこたわる
何かの 気配に ふと 身をおこす
少女は たちあがり 駆けだした

父と 再会する
少女
娘、少女、母、彼女、少女と、呼称が変化していきます。最後は、父と再会するのは、「少女」の彼女です。ここは「父と 再会する 少女」という文はなく、絵で表現しています。空き地によこたわった、年をとった彼女が見た夢を表現しているのでしょう。
最後に もういちど、はじめの父と娘の関係にもどりました。絵は異時同図(上の絵)です。
父が、どうして戻ってこなかったのかは、分かりません。でも、少女にとって突然の別れだったこと確かです。この記憶は、彼女の人生において、ふかい出来事として刻み込まれたことでしょう。人生には、さまざまな時期に出会いと別れがあります。
アニメーション映画(2000年公開)の絵本化です。映画は、2001年 アカデミー賞短編アニメ賞を受賞しました。
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※『岸辺のふたり』 マイケル・デュドク・トゥ・ヴィット作、うちだややこ訳、くもん出版 2003年 (2026/4/28)









