ふるはしかずおの絵本ブログ3

『地球がうみだす土のはなし』- 土は息をしている、生きている

ぼくは、コナラの木

コナラのぼくが、ぼくの下にある「土」について語ります。

   

       ・・・

土がなかったら、ぼくは 大きくなれなかった。

   

土には、

いろんなものが 混じっている。

枯れ葉、根っこ、ダンゴムシ、ヤスデ、もっともっとちいさな生きもの

でも、

もとは、砂や 小石だったんだ

    

    

火山が 噴火し、

火山灰が ふりつもる。

火山灰や 砂が、水にふれ、溶け、むすびつき、「ねん土」になる。

   

「ねん土」は

かたまり、

すきまに 水と 空気を ふくむ。

びせいぶつ」が、すきまに すむ。

    

大きなものを 細かくするのは、生きものの はたらきだ。

こなごな、バラバラになった 材料が

ねん土と まざり、かたまりになる。

こうして、土が生まれる

   

    

土の中には、たくさんの 小さな生きものがいる。

クモ、ダニ、トビムシ、クマムシ、

センチュウ

カビ

バクテリア

    

     

 ほんの ひとかたまりの 土のなかに、

 地球の すべての人間より

 もっとたくさんの 小さな生きものがいる。

    

 その ひとつひとつが、みんな、息をしている。

 土も、息をしている

 

 火山灰から、5㎝の土ができるまで、

 だいたい 1000年くらい かかる

    

    

ぼくは 土に 育てられた。

いまは ぼくが 土を つくりだしている

枯れ葉は 土にまじり 生きものの 栄養になる。

土が、なくならないように 

ぼくは、しっかり 根を張っている。

   

    

世界には、いろいろな土がある。

ここにある土は、ここだけの土

まったく同じ土は 世界中の どこにもない

    

 この土には、長い、長い時間と

 たくさんのいのちが、ぎゅっとつまっている。

     

       ・・・

「土」はどのようにして生まれるのか。土の成分、土の「ぼく」(コナラ)の関係、土の働き、世界の土などについて科学的な知識を学びます。「土は、生きもののいのちをはぐくむ、地球のゆりかごだ」というメッセージです。

     

また、巻末に「水文学者」の大西健夫さんの、「土」についての詳しい解説があります。土について考えることは、私たちの生き方を考えることにもつながる、と主張されています。「土」の絵本から、地球温暖化、森林の伐採など環境破壊、環境汚染などの問題を考えることができます。

       ・・・

※『地球がうみだす土のはなし』 大西健夫・瀧澤彩文、西山竜平絵、福音館書店 2021年  (2025/3/8)

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