
春夏秋冬の季節がいっぺんにやってきたら・・・いったい、どうなるのでしょうか?
冬の宮殿にすむ、冬の王さまは
誕生日に 盛大なパーティーを ひらきたいと思いました
春の女王
夏の王
秋の女王
3人のきょうだいを 呼びよせることにしました
太陽や風は「そんなことをするな」
木や草も 「やめなさい」と いいました
4人の きょうだいが
おなじ時 おなじ場所で 顔をあわせました
冬の王さまは、うれしくで たまりませんでした
でも、
宮殿の 外では
夏の太陽が かがやいて いるのに
秋の雨が ふり
冬の雪が あたりを おおい
春の花が さむさに とまどっています
あたらしい葉が でても すぐに散り
作物は 枯れて しまいました
どうぶつたちは とまどい
田舎では 日照り
都会では 洪水が おこりました
4つの季節が いちどに やってきたからでした
3人の きょうだいたちは
「もとに もどさないと」と思い、
じぶんの国に かえりました
すると
夏になり
秋になり
冬となり
そして、春に なりました

季節は もとどおりです
冬の王さまは きょうだいが いっしょにすごした
あの日を なつかしく 思いだします
でも
冬の王さまは さびしく ありませんでした
会えなくても 思い出は のこっているからです
・・・
現在の異常気象をあらわしているような寓話です。
この絵本は、85年前にウルリッヒ・アレクサンダー・ボシュヴィッツ(1915-1943)によって書かれた物語に着想を得てかかれたものです。「あとがき」にボシュヴィッツの経歴とともに、そのことが書かれています。彼は、ユダヤ系ドイツ人作家でした。1943年10月にドイツの潜水艦に沈められた船に乗船していた362人がとともに、亡くなりました。
イギリスのガーディアン紙のコラムニスト、ジョナサン・フリードランドが文を書き、エミリー・サットンが美しい絵をつけました。
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※『冬にやってきた春と夏と秋』 ジョナサン・フリードランド文、エミリー・サットン絵、さくまゆみこ訳、徳間書店 2025年 (2026/4/5)









