ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ホホジロザメ』- その形態と生態

ホホジロザメの形態と生態を、迫力のある絵と文で描きます

  

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大きな影が オットセイに しのびよる。

気づかれないように 真下に 移動する。

そして一

いっきに上昇し、

オットセイを しとめる。

    

       

 大きさは最大6メートルを超える

    

  

魚やイカだけでなく、アザラシやオットセイも 食べる。

背中は 灰色

はらは 白

海の色に 溶けこむ 色。

      

すばやく泳げるのは、

肌の表面に するどく かたい鱗が 

びっしり 並んでいるから。

     

特別な感覚器(ロレンチーニ器官)で、

他のいきものの 弱い電気を 感じとる。

おおきな鼻で えものの わずかなにおいを かぎつける。

くじらの 死骸をたべる ホホジロザメ。

   

    

 サメの歯は、ばつぐんによく切れる

  

    

交尾したメスに あたらしい命が 宿った。

    

メスの腹のなかで あかちゃんサメが 何匹も かえり

うごきだす。

赤ちゃんザメは、1年ものあいだ 母ザメの腹のなかで すごす。

母ザメの なかから でるときは

すでに 120センチメートルぐらいの 大きさだ。

鋭い歯も ある。

     

 子ザメは、これから自力で生きていく

       

      

子ザメは、

シャチ

じぶんより大きな ホホジロザメ

ほかの種類の サメに 襲われることもある。

    

 運よく生き残ったサメだけが、おとなになれるのだ

     

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絵本は、とても迫力ある絵で ホホジロザメを描いています。表紙と裏表紙を開くと、おおきなホホジロザメが現れます。また、オットセイを捕食する画面、体の構造を説明する画面、大きく口を開けたホホジロザメの絵は、大迫力です。

    

文章も、獲物と捕食のしかた、からだの構造、食性、繁殖、天敵・生存の厳しさなど、ホホジロザメの形態と生態がよくわかる文章です。また、歯切れのよい「だ、である」の常体の文章ですが、ホホジロザメの世界をえがくのにピッタリです。

     

最強の海のハンターですが、シャチなどの天敵などから逃れ、「運よく生き残ったサメだけが、おとなになれる」のです。自然の厳しさがわかります。

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※『ホホジロザメ』 沼口麻子文、関俊一絵、福音館書店 2022年  (2024/9/11)

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