「ほしみがき」の仕事についた、ブタノくんのはなしです。

　　　　　

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大学を　でたばかりの　ブタノくん。

でも、仕事が　見つかりません。

　　　

スタークリーニングの

「じゅうぎょういん　ぼしゅうちゅう」

　という張り紙を　見つけました。

　

　

仕事は？

空とぶ　ボートにのって　夜空の　星を　みがくことでした。

　　　

ブタノくんが

煙突の煙で　よごれた　星を　みがくと　

星は　まぶしいほどに　かがやき　はじめました。

　　

　　　

ほしみがき名人の　かえるの　おじさんが

ほしみがきの　コツを　教えてくれました。

ほしに　またがって　みがくこと。

でも、

ブタノくんは、足が　すべって

　　　

　「うわあーっ！」

　　　　

ブタノくんは　

雲のうえに　おちました。

　　　　

　「すみません　かえるさん」

　「なあに、こうやって　だんだん、

　　しごとに　なれていくのさ」

　　

　　　

ねこも、たぬきも、いのししも　

ほしみがきの　しごとを　しています。

いちばんの　たのしみは　おつきさまを　みがくこと。

みんなで、みがきます。

　　　

　「ほんとに　なんて　いい　しごとなんだろう」

　　　　

ブタノくんは　こころから　そう思いました。

　

　

日曜日

学校の　なかまの　うさぎから　

「もっと　ちゃんとした　しごとを　するべきじゃないのかな」と言われ、

ブタノくんは

「ほしみがき」の仕事に　自信が　もてなくなりました・・・

　　　　

　　　　

ある晩

夜空を　みあげて　

ブタノくんは　思います。

　　　　　　　

　「こんやも　みんなで　はたらいているんだろうな

　　ほしみがき、なぜ　わるい・・・だいじな　しごとじゃないか

　　もういちど　はたらかせて　もらおう」

　

ブタノくんは、いまでも、ほしみがきのしごとを　つづけています。

　

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「ほしみがき」は、磨くと星がかがやく目に見える結果をあげることのできます。ブタノくんは、みんなと、雲のうえでお弁当をたべたり、みんなで力をあわせて、お月さまをみがくのが、楽しみになりました。「ほしみがき」の仕事に喜びを感じています。偶然に始めた仕事ですが、どんどんのめりこんでいきました。「ほしみがき」は作業ではなく、人に役立つ仕事であるとブタノくんは気づきました。また、みんなとする仕事には、たのしみがあります。

　　　　　

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※『ブタノくんのほしみがき』　小沢正文、にしかわおさむ絵、にっけん教育社　2002年　　（2025/4/6）