「エイミーに てがみを かいているんだ」
ピーターは、誕生会に 彼女を招待しようとしています。
どうか ぼくの おたんじょうびかいに
きてくれませんか ピーター
「いつやるか、かかなくちゃ だめじゃない」
こんどの どようび 2時です
手紙をだそうと 外にでると、
とつぜん 稲光が ぴかぴか、ごろごろ!
手紙は、風に 飛ばされて しまいました。
そのとき
エイミーが 見えました。
手紙は エイミーの方へ 飛んでいきました。
ピーターは ひどく あわてて
エイミーに どしんと ぶつかって しまいました。
そして、いそいで
手紙を 郵便箱に いれました。
でも、エイミーは 泣きながら、いってしまいました。
もう あのこは、
ぼくの たんじょうびかいには きてくれないぞ。
土曜日が やってきました。
ともだちは みんな やってきましたが・・・
エイミーは きません。
ケーキを 切ろうとしたとき、
ドアが 開きました。
「たんじょうび おめでとう ビーター」
エイミーが つれてきた おうむも 言いました。
「たんじょうーび おめーでとう、ピーイータアー」
ケーキの ろうそくに 火が ともりました。
エイミーが おおきな声で いいました。
「おねがいごとを するのよ!」
ピーターは ろうそくの 火を ふうっと 吹き消した。
じぶんだけの ねがいごとを しながら。
・・・
ピーターは「特別な手紙」をはじめてかきました。「くちで いえば いいじゃないの」とおかあさんが言います。エイミーの家は、すぐそばにあります。でも、手紙を書いて招待したいピーターの気持ちがわかります。エイミーがきてくれるかどうか、不安な気持ちがわかります。エイミーは、来てくれるのでしょうか。読者もドキドキです。
彼女は、やってきました。
ピーターは、大好きなエイミーと友だちといっしょに、たのしい誕生日会ができました。思い出に残る誕生日会になりました。
読者は、ピーターに同化しながら、ピーターのこころ、ひいては他者のこころを理解していきます。
・・・
※『ピーターのてがみ』 エズラ・ジャック・キーツ作、木島始訳、偕成社 1974年 (2024/10/7)