ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ピーターとオオカミ』- 音楽と語りのコラボレーション

ロシアの作曲家プロコフィエフ(1891-1953)の「ピーターと狼」を絵本にしました。

     

       ・・・

ピーターは、

森のちかくの おじいさんの家に 住んでいます。 

     

ある日、

ピーターが、草原に いくと、

小鳥の友だち、バディが 歌っています。

      

 「しずかだなあ・・・平和だなあ」

  

アヒルが やって きました。

小鳥の バディが、アヒルに向かって 言います。

    

 「飛べない鳥って、どういう鳥なの?

  

   

アヒルが、小鳥の バディに向かって 言い返しました。

   

 「泳げない鳥って、どういう鳥なの?」

   

    

ねこが います。

小鳥の バディを 狙っています。

   

 「バディ、気をつけて」

  

ピーターが 叫ぶと

小鳥は 木の上に

アヒルは 池のなかで 「ガーガー」とさけびました。

おじいさんが、ピーターを 叱ります。

    

 「森から オオカミが出てきたら どうするんじや!

 

   

森から 灰色のオオカミが あらわれました。

オオカミは、

アヒルを ひとくちで 飲みこみました。

       

ピーターは、

2ひきを 助けようと、

ロープを持ち出し、木の上の 小鳥のバディに 話しかけました。

   

 「ねぇ、オオカミの顔の まわりを とびまわってみて

    

      

ピーターは、投げ縄を つくり、

そっと 下へ 下へ おろしていって・・・

オオカミの 尻尾に 縄を かけました。

 

 つかまえた!

  

ハンターたちが やってきて

みんなで、オオカミを どうぶつえんまで 連れていきます。 

   

先頭は、ピーターです。

ハンター、猫、おじいさんが つづきます。

バディは、空で 歌っています。

アヒルは?

オオカミの おなかの中で ないています。

アヒルを 生きたまま のみこんでいたからです。

   

 グワッ!

  

            ・・・

この絵本は、2019年の夏の「セイジ・オザワ松本フェスティバル」で、オーケストラ演奏されたプロコフィエフの「ピーターと狼」の曲にあわせて、スクリーンに映し出され、語られたものです。音楽と語りのコラボレーションです。観客の脳の中では、右脳と左脳がフル回転だったことでしょう。

     

音楽では、役にふさわしい楽器が使われています。 ピーターはバイオリンなどの弦楽器、おおかみはホルン、鳥はフルート、猫はクラリネット、アヒルはオーボエ、おじいさんはファゴット、ハンターはチィンパニです。

    

             ・・・

※『ピーターとオオカミ』 セルゲイ・プロコフィエフ作曲、降矢なな、ペテル・ウフナール絵、森安淳文、偕成社 2020年

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