ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ハッピーハンター』- 行動を描いてこころを表現する

心優しいハンターと動物たちのはなしです。

  

   

ある日、

ボビンさんは、狩りに 出かけることにしました。

 

   

子ウサギが 野原に いました。

ホビンさんは、銃をかまえ、ねらいを さだめます。

しっかり・・・しっかりと

それから、銃を おろして、

    

 「エヘン・・・エヘンエヘン

  と、せき払いをしました。

 

ウサギは、すばやく姿を けしました。

 

 「すばしっこい 子ウサギめ」

 

ボビンさんは、にこっと わらいました。

    

      

リス

キジ

カモのときも

猟銃をかまえたあとに・・・   

歌をうたい、口笛をふき、鼻をかみます。

       

みんな すぐに 逃げてしまいました。

でも、ボビンは 満足して いいました。

 

  

 「狩りって いいもんだなあ、あちこち歩きまわれたもんな

   

   

その翌年

キツネに 会っても

オポッサムに 会っても

けっして 撃ちませんでした。

 

   

ある年

ボビンさんは、狩りに 出かけなくなりました

年を取りすぎて しまったのです。

 

   

動物たちは しんぱいに なり、

ボビンに 会いに 行きました。

   

  

こうして、 

クマ、シカ、キツネ、アライグマ、ウサギ、ウッドチャック、リス、オポッサム、

カモやキジなど鳥たちは、

午後になると、ボビンさんの 家にやって来て 

いっしょに すごしました。

   

ですから、ボビンには、幸せな毎日がつづきました。

   

       ・・・

狩りに出かけたボビンさん。いつも動物たちに逃げられてしまいました。ボビンさんは、狩りが下手なのでしょうか。けっしてそうではないことを、子どもたちは理解することでしょう。くりかえされる、ボビンさんの行動を通して、ボビンさんのこころが分かってきます。

 

デュボアザンのこころ温まる世界です。

そして、目に見えない人間のこころについて認識を与える絵本です。

  

       ・・・

※『ハッピーハンター』 ロジャー・デュボアザン作、安藤紀子訳、ロクリン社 2017年  (2025/3/5)

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