ワンダ・ガアグの古典的な絵本(1931)です。
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スニッピーは のねずみの おんなのこ
スナッピーは のねずみの おとこのこ
ふたりの 冒険話です。
ある日、
スニッピ―と スナッピーが、
2ひきは、毛糸玉で あそんでいます。
ころんころんころん ころんころんころん
毛糸玉を おいかけ、
つかれて ひと休み。
ぐっすり ねむりこんで しまいました。
あれ、だれかが 毛糸玉を さらっていきました。
「たいへん、けいとだまを とりかえさなくちゃ」
「あとを おいかけるんだ」
ふたりは、ある家に つきました。
家には、不思議なものが いっぱいです。
ふたりは、家のなかものを 勘違いです。
絨毯を 原っぱに かんちがい
いすを 木に かんちがい
モップを 草に かんちがい
電気スタンドを おおきな花に かんちがい
鏡に うつった ねずみが 自分たちだと 気がつきません。
だいすきな チーズの匂いが します。
ふたりは、チーズを 見つけますが・・・
それは、
チーズのついた ねずみ捕りの 罠だったのです。
おとうさんねずみが、やってきて、
ねずみ捕りのことを 教えてくれました。
ふたりは、家にかえり、
おかあさんねずみに
毛糸玉
ぺちゃんこの 花
へんてこな 木
まねっこ ねずみ
ねずみ捕りのことを はなしました。
スニッピーとスナッピーは
ぜったい
ぜったい
ぜったい
ぜったい
にんげんの いえや ねずみ捕りには 近づきませんでした。
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スニッピ―とスナッピーの冒険物語でした。
「ころんと のぼって、ころんと おりて、のぼって のぼって、またおりて……」「たったか たったか」というリズミカルな文章です。動きのある絵のワンダ・ガアグ(1893-1946)の絵本です。
鏡の場面では、スニッピーとスナッピーは、鏡のなかの自分に向かって、「やっつけちゃおうぜ」と突進します。すると、むこうもとびかかってきます。ふたりは、あわてて向きをかえ、いちもくさんに逃げ出します。笑いがあります。ユーモアがあります。もちろん、読者は鏡のことを知っていますね。
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※『スニッピーとスナッピー』 ワンダ・ガアグ文・絵、さくまゆみこ訳、あすなろ書房 1999年 (2024/8/1)