ふるはしかずおの絵本ブログ3

『シルクロードのあかい空』- 西域の自然、文化、歴史

昆虫学者の わたしが、

西安から、新疆ウイグル自治区のカシュガルまでの 道を辿ります。

現代の シルクロードの旅です

    

      

東洋と 西洋を結ぶ シルクロード。

絹、毛皮、青銅、金、翡翠、陶器、香辛料 が はこばれた。

紙すき、印刷の技術

宗教、思想 も つたえられた。

   

   

ふしぎな形を えがく 砂丘の砂

砂丘に 沿って ならぶ、

 

 ポプラ

 クワ

 ブドウ

    

 みわたすかぎりの 綿花畑

     

     

太陽は、

火焔山の 山肌を あかくそめ

石窟を しずかに てらす。

   

   

新疆北部 アルタイ山脈の  高地

金褐色の ビロードのような 草原

カザフ族の 人たちが ユルトのなかで くらしている

 

 カナス湖

  

 

西部の町・カシュガルでは

クラクションの 音が ひびきわたる

   

 夕陽

 赤と 金色に かがやく

     

            ・・・

シルクロードの旅のなかで、雄大な自然と人々の暮らしが、叙情豊かにえがかれます。また、シルクロードの人びとの生活、農業、文化、動植物、遺跡の説明が、織り込まれています。

     

ウイグルの王女・香妃、花の蜜を吸うホウジャク、地下水路、干しブドウ、養蚕、綿花の栽培、廃墟の古代都市・高昌、シルクロードの動物や鳥たち、〈雲のなかの民〉と呼ばれる遊牧民のトゥバ族、香妃霊廟・・・ シルクロードの旅を彩るものごとです。

 

沈む夕日が染める、茜色の景色が、鮮やかに描かれています。作者・シムレールさんの心に焼きついた西域でしょう。雄大な大地を感じます。

     

そういえば、スイカ(西瓜)も、中央アジアからシルクロードを経て唐へ、唐から平安時代の日本に伝わったと言われています。

     

            ・・・

※『シルクロードのあかい空』 イザベル・シムレール文・絵、石津ちひろ訳、岩波書店 2018年  (2025/2/24)

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