アランは、こわいワニの一族。

みんな、アランを　こがっていました。

　　　　

うろこを　みがき

つめを　とがらせ

歯を　いっぽん　いっぽん　10分かけて　みがきます

こわーい　顔を　鏡の前で　れんしゅうします

　　　　　

　　

ジャングルに　でかけて

歯を　ならし

大声で　ほえて　さけびます

みんなは　ふるえあがります

　　　

　　「ぶあっ、はっ、はっ！

　　こわがらせるのは　さいこう！」

　　　　

でも、

アランの歯は、誰もしないけど　入れ歯なんですよ

ねむるとき、入れ歯を　秘密の場所に　しまいます

　　

　　　

ある日

ビーバーの　バリーが　

やぶの　なかに　入れ歯を　みつけ　かくしました

　　　　

歯のない　アランは　みんなに　笑われてしまいました

ぜんぜん　こわくないんです

　　

　さあ、どうしよう　これから？

　　　　

涙が　とまりません

なきました　なきました

いつまでも　ないていると・・・

　　　

　「きみの歯を　かえしにきたよ」

　「ふぉ、ふぉんとに？」

　　　　

二度と　こわがらせない、とみんなは　アランに約束させました

　　　　

　　　

それからというもの

バリーは　

じぶんの　歯で　

木の葉や葉っぱの　手入れを　したり

髪を　きって　あげたり

歯のみがきかたを　おしえてあげました

夜には、こわーいお話も　してあげました

　　　

　「ぶあっ、はっ、はっ！

　　こわがらせるのって　やっぱり　さいこう」

　　　

いまでは　ときどき

バリーに　入れ歯を　かしてあげます

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ユーモアのあるおはなしでした。

ャングルで一番こわいワニのアラン。でも、歯が入れ歯だなんて笑ってしまいます。みんなを怖がらせるために、毎日10分かけて一本一本歯を磨くシーンも、こわくて・おもしろい場面です。

さいごは、怖いはなしをして、みんなをこわがらせるアランです。

ワニのアランと動物たちのポップな感じの絵も、ユーモアを高めています。

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※『アランの歯はでっかいぞ こわーいぞ』　ジャーヴィス作、青山南訳、ＢＬ出版

2016年