おかあさんの庭で お手伝いをはじめた わたし。
わたしに じぶんの庭があれば、と空想しはじめます。
わたしの 庭の花は 枯れません。
わたしの 庭の花は 色を かえます。
ピンク、青、みどり、むらさき、
模様までできるんだから。
お花をつむと、
あたらしい花が 咲きだします。
かいがらを まくと、かいがらの おはなが 育って、
ジェリービーンズを まくと、
おおきな ジェリービーンズの 木になるの。
空想は、どんどん ひろがります。
庭に
ボタン
傘
鍵も 生えてきます。
鳥やチョウも きます。
トマトは ビーチボールくらいに 大きくなります。
でも、
にんじんは はえてきません。
にんじんが 嫌いだから。
夜
朝顔が 星のように かがやき、
いちごは ランプみたいです。
わたしは 貝がらを 庭に うめました。
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わたし夢の庭を実現すると、こうなりましたと言うはなしです。子どもらしい夢と言ってしまえば、そのとおりですが、「ビーチボールくらい」「星のよう」「ランプみたい」と比喩までつかって、自分の庭を自慢するおんなのこです。こうした夢が想像力・創造力の源泉です。また、誰でも、「わたし」のような夢を持っていることでしょう。
幼稚園や保育園の子どもたちは、どのような庭を想像・創造するのでしょうか。絵画表現や壁面装飾に応用できそうな絵本です。
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※『わたしの にわ』 ケビン・ヘンクス作、いしいむつみ訳、BL出版 2011年 (2024/7/27)