
「たねをめぐる いのちたちのおはなし」(サブタイトル)です。
植物の 種は
いろいろな力を 借りて ひろがって いきます。
大風、太陽、鳥、雨、川、どうぶつ、にんげんの 力で。
大風の たねまき
フゥーウウウー ビューウウウ!
大風が 植物の種を ばらまいて いきます
種は 舞いあがり、とんで いきます、
とりたちの たねまき
オウゴンヒワの群れか、アザミの種を ついばみます。
種は、
空から おちたり、
鳥のふんに はいって はこばれます。
たいようの たねまき
雨の たねまき
川の たねまき
どうぶつたちの たねまき
うさぎ
きつね
アライグマ
種を からだにつけたり、まきちらしたりして はこびます。
リスは 冬の 食べものとして どんぐりを 土に うめます。
行方不明になった どんぐりも あります。
大きなオークの 木は、何年も前に うめられた、
ひとつぶの どんぐりだったんですよ。
にんげんの たねまき
にんげんだって
知らないうちに 種を まいています。
靴についた どろに まじって、種は はこばれます。
ふーっ!
たんぽぽの 綿毛を ふきとばして。

絵本は こう むすばれます。
くりかえし くりかえし、
わたしたちは この自然の庭に たねを まいてきました。
わたしたち―― 風や水、たいようやどうぶつ、しょくぶつやにんげんが、
みんなで、いっしょに
・・・
種は、「フロンティア(開拓)精神」にあふれています。種のときの移動は、「はじめてにして最大の旅」です。そして、「一人ぼっちで孤独だな、と感じるときは、自分は本来自分がいる場所から遠く、この辺境に飛ばされてきた種なのだ、と思えば、今生きていることそのものが、重大な任務のように思えます」(梨木香歩さんの「あとがき」)。
種をとおして、自然の力、自然のめぐみ、動植物の関係・協力がわかります。
そして、わたしたちの生き方にも 示唆を与えてくました。
・・・
※『わたしたちの たねまき』 キャスリン・・ガルブレイス作、ウェンディ・アンダスン・ハルバリン絵、梨木果歩訳、のら書店 2017年 (2024/10/17)