ふるはしかずおの絵本ブログ3

『るるのたんじょうび』- 愛されて、ひとつ大きくなる日

幼稚園や保育園の誕生日会で、読みたい絵本です。

    

     

かおるが かわいがっている ちいさなねこの 

るる

ところが、

その るるが いなくなって しまいました。

   

かおるは、公園で くろねこや とらねこに きいてみます。

でも、

   

 

 「しってますよ。しっていますけとね、

  おしえて いいもんか どうかな」

 「いじわるしないで おしえてよ!」    

 「みんなが おしえて いいってさ」

    

くろねこは、かおるを あんない しました。

   

    

公園の はなばたけを とおりすぎ

しげみを くぐりぬけると

広場の まんなかで どうぶつたちが あつまっていました。

   

ねこ、くま、いのしし、へびの あおだいしょう、さる、うさぎ、りすたちが テーブルに ついています。

 

   

テーブルのうえには ケーキが あります。

ケーキの前に るるが すまして すわっていまし

 

   

 「これから るるの たんじょうびの おいわいが はじまります

 

     

くまは おおきな さかなを プレゼントしました。

     

あおだいしょうは へびおどり、

いのししは 木の実の かざりもの

さるは はっぱの ぽうしを おくりました。

どうぶつたちは みんなで るるを どうあげして、

歌いました。

  

 

 るるねこ たんじょうび おめでとう

 ごしごし つめとげ きに かけのぼれ

 るるねこ はしれ いぬよりはやく

 るるねこ たんじょうび おめでとう

     

    

かおるも るるの うたを うたいました

     

 るる るる るる るる

 ぼーるに なれ ぽん ぽん

 るる るる るる るる

 ライオンに なあれ うおー うおー

 るる るる るる るる

 ねこに なーれ にゃー にゃー

     

そのとき、おおきな ボールが とんできて

テーブルの うえに おちました。

どうぶつたちは びっくりして おおあわてで かえっていきました。

      

かおるは るるを だきあげて いいました。

 

 「るる たんじょうび おめでとう

 

         ・・・

幼稚園や保育園の誕生日会に読んであげるのに、ピッタリの絵本だと思います。るるは、どうぶつたちみんなに誕生日を祝ってもらっていました。かおるや どうぶつたちみんなから 愛されている、るるです。るると同じように、誕生日を迎えた子どもは、クラスのみんなから祝福されることでしょう。

     

また、言うまでもありませんが、この本を読んであげるのは誕生日会に限りません。どんな時でも読んであげてほしい絵本です。みんなから、愛されておおきくなる子ども、周りの期待に応えようとして、大きくなる子どもです。

     

中谷さんの絵は、広場につながる道、お誕生日会の背景をピンクで描いています。あかるいピンクがこの世界を彩っています。

         ・・・

※『るるのたんじょうび』 征矢清作、中谷千代子絵、福音館書店 2011年(初版1971年)  (2025/2/22)

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