
夜、働く人たちのすがたを、「わたし」の視点から語ります。
わたしが
パジャマに 着替えるころ
ママは 仕事に でかけます。
(ママの仕事はさいごに明かされます)
サミーさんは ビルの そうじ。
ジョルジオさんは、カメラで ビルのあちこちを 見まもっている。
ハッサンと アミーナさんは 警察官。
キシーさんは、テレビの レポーター。
レムさんたちは、夜のライブ。
サックスを ふいている。
わたしも おおきくなったら、夜のライブを 聴きに いってみたい。
イーバさんの店は スーパー、
24時間営業で、ガソリンスタンドも ある。
ラビさんが、やさいや肉を とどけると、
ディランさんと ルビーさんが それを棚にならべる。
ルイージさんは パン屋さん。
線路工事をする ジョニーさん、ドットさん、アイザックさん。
ダニーさんとトッドさんは 救急救命士。
医師の ジェマさん。
看護師の ヨスンさん。
助産師の フィオーナさん。
わたしが寝ているあいだに、たいせつなことをしている ひとたち。
わたしのママも そう。
ほら、オレンジ色のバスを 見て
バスの運転をするのが、わたしのママ

わたしが 朝ごはんを たべるとき
ママは 家に帰ってきて、ねむりにつく
ママ、おやすみなさい
いつもありがとう!
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わたしたちが、なかなか目にすることのない夜の仕事がたくさん書かれています。読者と等身大の「わたし」の視点から、書かれています。読者は、わたしに同化して読んでいくことでしょう。
スーパーにものを運ぶラビさんは、パン屋さんでも卵と小麦をおろします。パン屋のルイージさんは、それで朝食を買いにくる人に、パンを焼きます。みんな、暮らしを支える大切な役割を担っています。はたらく人たちはひとつの輪、ひとつの世界をつくっています。
また、人物のいろいろな名まえが、この世界を支えている人種の多様性を表現しています。
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※『よるのあいだに… みんなをささえる はたらく人たち』 ポリー・フェイバー文、ハリエット・ホブディ絵、中井はるの訳、BL出版 2022年 (2025/2/11)