
雪の上の動物と 雪の下の動物が、対比的に語られていきます。
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雪の上を すいすい スキーをする わたし。
しっぽが ちらり
アカリスが 雪のすきまに 消えた。
「どこへ いったの?」
「ゆきのしただよ・・・
ゆきのしたには、まったくべつの、ひみつの せかいが ある」
雪の下では
トガリネズミが 苔だらけの トンネルの奥に 消える。
シロアシネズミが うとうと。
ハリネズミたちが 夏のごちそうの 残りを さがしあるいている。
カンジキウサギは 真っ白な ふゆ毛。
ふとった ウシガエルが 夢のなか。
ビーバーたちは ポプラの木の皮を かじって お食事中。
雪の上では
キツネが
すまして・・・
よーく・・・ よーく きいてから・・・
ぴょーん
雪に とびついた。
前足で ゆきを ひっかくと、でてきたのは ネズミ。

雪の上を わたしは スキーを すいすい。
雪の下では、シマリスが お食事の じかん。
クロクマが おおいびき。
マルハナバチの 女王バチが、ひとりぽっちで 冬を すごしている。
家に かえり、
わたしが 毛布のしたで 見る 夢は・・・
シロアシネズミ、カエル、ビーバー、ハタネズミ、クマ、リスの夢。
ゆきのしたの、ひみつのせかいの ゆめ。
・・・
雪の下では、うとうとしているシロアシネズミ、食べ物をさがしているハタネズミ、冬眠をするウシガエルやクマ、食事中のシマリス、ひとりぼっちで冬をこすマルハナバチの女王がいます。ふだんは、決して見ることのできない、冬のどうぶつたちの世界です。
雪の上では、スキーをするわたしとおとうさん。獲物を狙う、ワシミミズクやキツネたちがいます。わたしはスキーに夢中ですが、雪の下では冬を越す動物たちの生活があります。雪の上でも、生きていく動物たちの生活があります。
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※『ゆきのうえ ゆきのした』ケイト・メスナー文、クリストファー・サイラス・ニール絵、小梨直訳 福音館書店 2013年 (2025/2/21)