りんごを 食べようとする、どうぶつたちの ひと騒動です。
・・・
コブタが
りんごを 見つけました。
木登りができない コブタは、
りんごが 木から 落ちてくるのを じっと待ちました。
「やったあー!」
落ちてきた りんごは
コロコロコロ・・・
岩の穴の なかへ はいってしまいました。
手をのばして とろうとします。
「うーん、もうちょっと もうちょっと……」
ツンッ!
あっ!
りんごは 穴の奥に はいってしまいました。
サルが やってきました。
「よし、おいらに まかせな」
「うーん」、もうちょっと もうちょっと……」
ツンッ!
あっ!
りんごは もっと奥に はいってしまいました。
キツネも 同じ結果に なりました。
キリンのくび、トナカイのつの、ウサギのみみ、ワニのしっぽも 役にたちません。
ゾウが やってきました。
ゾウは、ながい鼻を 穴に入れると、
「うーん、もうちょっと もうちょっと……」
「あっ! とれたぞ!
おいしそうな りんご。いただきま~~~」
ゾウは リンゴを持って にげだします。
追いかける どうぶつたち。
どしーん
ゾウは りんごの木に ぶつかり
りんごが バラバラバラ 落ちてきました。
たくさんの りんごを
みんなで いっしょに
「いただきまーす」
・・・
穴のなかのりんごを 取ろうとする動物たちの ユーモラスな姿です。動物たちは、みんな真剣です。真剣だからこそ、その姿が笑えます。穴の中のりんごがなかなか取れない、もどかしい状況がつづきますが、ゾウさんが一気に解決しました。ゾウさんは、りんごを独り占めにしようとして、逃げだしましたが・・・
りんごの木にぶつかり 、りんごが バラバラバラ落ちてきます。
笑えるハッピーエンドです。
・・・
※『もうちょっと もうちょっと』 きむらゆういち文、高畠純絵、福音館書店 2018年 (2024/9/20)