
めんどりのペニーに付和雷同する、鳥たちの運命は・・・
めんどりペニーの 頭の上に どんぐりが おちてきた
「まあたいへん! そらが おっこちて くる!
おうさまに しらせなくちゃ」
めんどりペニーが どんどんどんどん いくと
おんどりロッキーと 出会った
「どこへいくんだ?」
「そらが おっこって くるから
おうさまに しらせにいくの」
「いっしょに いっていい?」
「いいとも」
二わが どんどんどんどん いくと
かもの ラッキーと 出会った。
かもの ラッキーも
「いっしょに いっていい?」
「いいとも」
がちょうの ルーシー
しちめんちょうの ラーキーも
いっしょに おうさまに しらせにいきます
きつねの ロキシーが いました。
ロキシーは みんなから 事情をきくと
こう いいました
「みちが ちがうぜ・・・
おしろへの ちかみちを おしえてやるよ」
きつねの ロキシーは
じぶんの あなへ みんなを 案内しました

その日から
めんどりペニー
おんどりロッキー
かものラッキー
がちょうのルーシー
しちめんちょうのラーキーを
見たものは いない
きつねのロキシーと おくさんと 七ひきのこどもたちは
そのひの ごちそうが いまでも わすれられない
・・・
「そらが おっこってくる!」という、めんどりペニーの勘違いと「おうさまにしらせなきゃ!」ということを深く考えずに、「いっしょに いってもいい?」とみんなは付和雷同、右に倣え。「みちがちがうぜ・・・おしろへの ちかみちを おしえてやるよ」というきつねの悪知恵にだまされ、食べられてしまいましたが、めんどりペニー、おんどりロッキー、かものラッキー、がちょうのルーシー、しちめんちょうのラーキーの運命は、きつねに会う前に、決まっていたといえるかもしれません。
世の中には、きつねのように悪知恵のはたらくものがたくさんいます。
・・・
※『めんどりペニー』 ポール・ガルドン作・絵、谷川俊太郎訳、童話館出版 1995年 (2025/5/30)