
ナイト(夜)と 呼ばれる みみずく
デイ(昼間)と 呼ばれる プードルの おはなし。
ナイトと デイが 出会ったのは、ある日の 夕方です
「いたい! ちくしょう、なんて きだ!」
あたまを 木に ぶつけた ナイトが
おおきな 声を あげました
きつねの フォックスが ナイトを 見つけ
食べようと します
そのとき
デイが 通りかかり
フォックスを おいはらい
ナイトを 助けました
ふたりは こうして 友だちに なりました
でも、
夜の みみずくと 昼の プードルが
どうすれば また あえるのでしょうか?
ふたりは まいばん 台所の ドアごしに
おおきな声で はなしを することにしました
フーッ、フーッ、ホー
ウー、ワアー、ワアー
ホー、ホッホ――
「あの気味の わるいおと、なにかしら?」
「みみずくの 声じゃないかな? それに、デイが ほえているんだよ」
ベニーフェザーさんは おくさんに いいました
つぎの日の夜
ふたりの声は もっと大きくなりました
ウ―― ワァウウウ……
ホ――ッ…… ホッホ…… ホ――ッ……
ベニーフェザーさんと おくさんは どうしたらよいか 分かりません
しかし、むすこの ボブは どうしたらよいか わかりました

ボブは 庭に 犬小屋を つくりました
「これで ちいさな声で はなすようになるよ
そうしたら、ぼくたち ねむれるよ」
その夜
ナイトは デイの小屋のやねに とまりました
ふたりは
昼におきたこと
夜に起きたことを しずかに はなしあいました
・・・
起きている時間が正反対の、プードルのデイとみみずくのナイト。ふたりは、すれ違いの生活をしています。そんなふたりが友だちどうしであることに、ボブが気がつきました。
ボブ少年は、家の外に犬小屋を作ってあげることで、デイとナイトのすれ違い生活の橋渡しをしてあげました。ふたりの問題は、犬小屋で解決しました。デイとナイトが主要な人物ですが、ボブはとても大切な役回りを演じています。陰の立役者、縁の下の力持ちです。
このハッピーエンドに、デイもナイトも、ボブ、ベニーフェザーさん、おくさんも、そして読者も大満足です。
・・・
※『みみずくのナイトとプードルのデイ』 ロジャー・デュボアザン作、安藤紀子訳、ロクリン社 2016年 (2025/10/29)









