
いつでも どこでも 子どもたちは 研究しています。遊んでいます。
子どもの想像力がうみだす、遊びの世界です。
エムけんきゅういんと エヌけんきゅういんが
棒を はっけん
さっそく けんきゅう
「うえを あるいてみよう」
「おっとっと」
(絵を見ると ふたりは
サーカスの綱わたりを 想像しています)
のんちゃんの さんりんしゃを ひっくりかえして
そうぞう(想像・創造)したものは・・・
「さいしんしき やきいも こうじょう」
縄跳びのひもは、ジャングルの にょろにょろへび
傘にはいると、そこはキノコの森
まーちゃんは
ふたのない やかんを もってきました
「やかんに のってみら どうだろう」
やかんは 宇宙船
「うちゅうの ほしを みてきます」
原っぱで あそぶと・・・
そこは 海
おおだこや さかなと かくとうする 子どもたち
「うわー」
「たすけて」
「せんちょう、おもかじ いっぱいだ」
船のうえは おおさわぎ
いつでも どこでも けんきゅうだ
あしたも けんきゅうなのである

昭和30年代を彷彿とさせる、ノスタルジックな感じの絵です。街頭の電球、井戸のポンプと洗い場、洗濯板が、描かれています。
原っぱの海のシーンには、いままで遊んでいたものが、形をかえて、表現されています。三輪車は船の舵、棒となわとびは釣り竿、やかんはおおだこ、水玉模様の傘はおおだこの吸盤です。彼らの世界では、現実と空想は一如です。
身のまわりのものを遊び道具にして、遊ぶ子どもたち。子どもは、想像力を駆使してあそぶ天才です。子どもの想像力・創造力のすばらしさを描いています。
・・・
※『ぼくらの ひみつ けんきゅうじょ』 森洋子作 PHP研究所 2013年 (2025/6/25)