ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ぼくはあるいた まっすぐ まっすぐ』- ぼくのドキドキ感が伝わります

おばあちゃんの家まで 歩いていく ぼくの「冒険」です。

   

      

おばあちゃんから 

電話が ありました。

ぼくは、おばあちゃんの家に ひとりで 行くことになりました。

     

まっすぐに行けば、いいといわれ

ぼくは、まっすぐに 歩き はじめます。

    

    

まっすぐ まっすぐ

いなか道を まっすぐ

花を つんで、

おばあちゃんに あげようと思います。

 

 

たくさんの 蝶々にも あいました。

野いちごを たべ、

おばあちゃんに ひとつ 持っていくことに しました。

 

   

ぼくは あるいた まっすぐ まっすぐ

川を わたり

小高い 丘を こえました。

     

   

まっすぐ 行ったら

おおきな家に ぶつかった。

   

 ここが おばあちゃんの おうちかな?

  

 うわっ

    

馬小屋でした。

   

 

ちいさな家が あります。    

うわっ

犬小屋でした。

  

   

ドアの ない家も 見つけました。

うわっ   

蜂の巣箱でした。

   

 

もしかしら ここかな?

 

 あ、おばあちゃん

     

  

 おばあちゃんの おうち やっぱり まっすぐだった。

  

         ・・・

おばあちゃんの家まで行く、ぼくのドキドキ感が伝わります。小さなぼくには、大冒険だったことでしょう。「まっすぐ」っていう言葉は、お守り言葉のようです。

     

絵は、前半は見開きページの3分の2、後半は2分の1程度を占めています。のこりの白い余白に、「ぼく」の言葉が書かれています。心内語のようでもあります。絵は「ぼく」のようすを描き、文は「ぼく」の心を描いています。絵と文は、それぞれ得意なところを描き、構成されています。

       

しかし、ぼくが、おばあちゃんの胸に飛び込む絵を見ると、絵もぼくの喜びの心を表現しています。絵が「ぼく」のようすを描き、文が「ぼく」の心を描くとは、単純には言えませんが、両者の相乗効果が見られます。

        

     ・・・

※『ぼくはあるいた まっすぐ まっすぐ』 マーガレット・ワイズ・ブラウン/坪井郁美文、林明子絵、ペンギン社  1984年  (2024/10/2)

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