ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ぶかぶかティッチ』- 子どもは成長する!

いつも にいさんたちの おさがりをもらう ティッチのはなしです。

     

      ・・・

ティッチは    

にいさんからは ふるい ズボンと  靴下

ねえさんからは ふるい セーターと 靴下

をもらいました。

ティッチは いいました。

     

  

 「これ、まだ ぼくには ちょっと おおきいや

  

    

 「ティッチにも、あたらしい ふくや くつしたを、

  かってやらなくちゃ いけないと おもいますよ」

  と、おかあさんが いいました。

    

     

ティッチと おとうさんは、

できたて ほやほやの ズボン

できたて ほやほやの セーター

てきたて ほやほやの 靴下を 買いました。

  

    

おかあさんは、

うまれて まだ ほやほやの あかちゃんを つれてかえりました。

  

    

ティッチは あたらしい服を 着て いいます。

   

 ぼくの ふるいズボンと セーターと くつしたを 

 あかちゃんに あげる。

 ぼくには、とっても ちいさいんだ!

     

      

3人きょうだいの末っ子のティッチ。おにいさんとおねえさんのお下がりをもらうティッチ。でも、文句を言うのでなく、「これ、まだ ぼくには ちょっと おおきいや」というティッチ。健気なティッチです。同じような体験のある子もいることでしょう。あかちゃんが生まれると、じぶんの洋服を赤ちゃんにあげようとする、こころ優しいティッチです。

     

ティッチは大きくなりました。子どもは成長します。シンプルですが、とても大切な事実だと思います。

    

窓の外の風景には、草木に花が咲き、小鳥がたまごをうみ、ヒナをそだてる様子が描かれています。ページをめくるたび、時間の経過、季節の変化がわかります。

『ティッチ』の続編です。

      

      ・・・

※『ぶかぶかティッチ』 パット・ハッチンス作・絵、いしいももこ訳、福音館書店 1984年  (2024/9/16)

SHARE