ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ふたりはバレリーナ』- ふたりはバレエが大好き

ちいさなエマと おおきなジュリア

バレエが だいすきな ふたりは 劇場で であいます

エマは 観客

ジュリアは 舞台のバレリーナとして

    

     

エマは 

バレエを ならっています

ジュリアは 

劇場でおどる バレリーナです

   

      

エマは 

レッスンが 終わると

まちの劇場へ バレエを 見にいきます

ジュリアは

そのバレエに でます

リハーサルで ステップを たしかめ

うごきを おさらいします

     

   

エマは 

よそゆきの ドレスに 着替えで

家族みんなで まちへ でかけます

ジュリアは 

トゥシューズを はき

なかまと 準備運動をします

    

   

エマが 劇場に はいるころ

ジュリアは 楽屋で 衣装に 着替えます

   

   

 劇場が 暗くなり

 音楽が はじまり

 幕が あきました

   

    

エマは

バレリーナの しなやかなうごきを 見のがすまいと

目を こらします

自分が 踊っているように 感じました

    

ジュリアは

とびあがり

くるくるまわり

かたあしで バランスを とります

   

    

 バレエが おわり 拍手喝采

    

   

エマは、舞台裏で

ジュリアに 会いました

     

   

 「プログラムに サインしてもらえませんか?

 「よろこんで!

 「いつかわたしも 舞台でおどりたいんです。あなたみたいに!」

    

ジュリアは エマをだきしめて いいました。

    

 「わたしも ちいさいとき、そうおもっていたのよ

  あなたみたいに!

      

           ・・・      

絵本は、エマは ~ 、ジュリアは ~ というように、エマの視点とジュリアの視点とが、交互にかわって進みます。公演後、ふたりは舞台裏で出会い、2つの視点はひとつになります。別々であったふたりのこころが、ひとつになったことを象徴的に示しています。
        

バーバラ・マクリントックさんのあとがきに、アメリカの黒人舞踏家・ジュディス・ジャミソン(1943-2024)の舞台を見て、感動した思い出が書かれています。絵本は、彼女へのオマージュ作品でしょう。ジュリアが黒人であるところに、それが現れているように思います。

           ・・・

※『ふたりはバレリーナ』 バーバラ・マクリントック作、福本友美子訳 ほるぷ出版 2016年  (2025/6/27)

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