ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ひみつのカレーライス』- レトロな感じ、昭和の匂いがします

カレーの種から、カレーライスがうまれます !

  

          

フミオが カレーライスを 食べていると

  

  かりっ  

  あれッ?

    

   

フミオの 口の中から、種が 出てきました

世にも めずらしい カレーの種

おとうさんは、種を 庭に うめました。

    

       

つぎの日

芽が でています。

水を たくさん かけました

そのつぎの日、

「おさら」の はっぱが はえてきました

     

    

つぎの朝

ちいさな花が 咲いています。

   

 「ふくじんづけの 花が さいたよ!

  

つぎの朝は

カレーの実と 

ライスの実が できかかっています。

     

 「きょうこそ、たべてみよう!

     

カレーライスが できあがると、

町中の人たちが やってきます。

  

 「きょうだけ、うちは カレー屋さんです!

   

おとうさんが 胸を どんと たたきます

みんなが たべたので

カレーの木は、たちまち 枝ばかりに なってしまいました

     

    

最後のひとつを たべたのは、フミオです

      

  かりっ

 

  あれッ?

       

       

和服姿のお父さんと お母さん。おかあさんは割烹着をつけています。カレーの香りとともに、昭和の匂いがしてきます。

     

カレーの種があるならば、いろいろな食べ物の種が、他にもあるかもしれません。スパゲティの種、ラーメンの種、うどんの種、親子丼の種、かつ丼の種・・・ 並べてみると、やはり「カレーの種」ですね。子どもが大好きなカレーです。

    

最後のひとつのカレーを食べた、フミオの口で 「かりッ」。こんどはどのような「種」が出てくるのでしょうか。それは、新しいおはなしの「創作の種」になるかもしれません。

    
         ・・・

※『ひみつのカレーライス』 井上荒野作、田中清代絵、アリス館 2009年  (2025/5/20)

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