ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ねむれない ふくろう オルガ』- つぐみのアイディアで眠れました

ねむれないオルガは、どうやって眠りについたのでしょうか?

 

       ・・・  

オルガは、眠れなくて 困っています。

  

 かたほうの目を つぶってみました。

 はんたいの目を つぶってみました

 ふたつの 目を ぎゅうっと つぶって がんばりますが

 どうしても 眠れません。

 

 

物知りの ふくろうに 聞いてもだめでした。

   

 

しまりすが 言います。

   

 「なにか こまっているの」

 「ねむれなくて こまってるの」

 「からだを まるめてみたら? ぼくは そうやって ねむるんだ」

 

でも、からだを まるめると、

オルガは、枝から 落ちそうになりました。

  

 

オポッサムは、枝に ふらさがると、

あおかけすは、あたまを つばさのしたに かくすと

こまどりは、細い枝に とまると、

ゆりかごみたいになるよ、と教えてくれました。

 

 「やっぱり ねむれないの」

 

  

つぐみが、言いました。

   

  「ぼくは、うたいながら ねむるんだ

   

オルガ、しまりす、オポッサム、あおかけす、こまどりは

真似をして うたいはじめました。

   

 うたおう ゆったーり

 おやすみのうた ららーら

 めをとじて やすらかに

 きもちよく らーららーら

 ほら ふしぎ ねむくなるよ

 いつのまにか ぐっすり ほら・・・

     

   

みんな、うたのとちゅうで 眠ってしまいました。

   

それからというもの、

オルガは ねむれなくなると、

つぐみに おそわった うたを ゆっくりと うたってみます。

    

         ・・・

夜、なかなか眠れない子どももいることでしょう。オルガの悩みは、読者の子どもの悩みでもあります。

    

森のみんなは、オルガが眠れるように助けてくれました。親切な友だちたちです。つぐみは、歌いながら眠るという話をしますが、とても器用なつぐみですね。たしかに「子守歌」を歌ってあげることで、子どもは眠りにつきます。歌ってあげることと睡眠には、深い関係があるのかもしれません。「おやすみなさい」の絵本にもなりそうです。

    

『たくさんの お月さま』(コルデコット賞受賞作品)『ねぼすけ はとどけい』『いっしょなら もっといい』『わらってよ ピッコ』など、ルイス・スロボドキン(1903〜1975)の作品は、数多く翻訳されています。

      ・・・

※『ねむれない ふくろう オルガ』 ルイス・スロボドキン作、三原泉訳、偕成社 2011年  (2024/9/7)

SHARE