「おやすみなさい」の絵本です。「ねむい ねむい」の言葉がくりかえされます。31回も。
ねむい、ねむいのは・・・
おつきさま、おうち、へや、
テーブル、カーテン、絵、いす、
ねこ、とだな、おさら、かっこどけい、ベッド、
おとこのこ、くまさん、おもちゃ
絵本の絵は、みんな 表情を持った人物として 描かれています。
どこからか、
たのしい調べが 聞こえてきた。
いすは、カタコト、カタコト 足拍子。
おさらは、踊りだす。
おさらが、足をすべらし、ガチャンと 落ち、
ねこが びっくり。
かっこう時計から、小鳥が とびたし
カッコウ! カッコウ!
おとこの子が 目を あける。
いす、テーブル、絵、さら、とだなが 踊りだす。
やがて
調べは ちいさくなり・・・
小鳥は 時計のなかへ もどります。
ねこも まるくなり、
おとこのこも まぶたを とじ、
おうちは 静まりかえる。
ねむい ねむい
かべ、絵、おさら、おつきさま
みんな みんな おやすみなさい。
・・・
絵本『よあけ』のシュルヴィッツの絵本です。
絵本は、「はじめ」「つづき」「おわり」、あるいは「序破急」の構成です。おもしろい「つづき」(「破」)の部分があるところが、他の「おやすみなさい」の絵本と異なるところです。また、「ねむい ねむい」と言うことばが、通奏低音のように流れます。
絵はやや暗く漫画のようです。また、絵の中のものには、みんな顔が描かれています。表情のある「おさら」は、コールデコットの絵本を思い起こします。
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※『ねむい ねむい おはなし』 ユリ・シュルヴィッツ作・絵、さくまゆみこ訳、あすなろ書房 2006年 (2024/12/30)