ねずみが ねこを 助ける? という話です。
あるところに、
パン屋で 働く ねこがいました。
パン屋の主人は 意地悪で、おくさんは 怠けものでした。
ねこは、
パンの生地を つくり、のばし、
リンゴを 薄切りにしたり、
ねずみを おいかけ、
パンを 焼いたり、
洗いもの、そうじをしたり
もう へとへと でした。
ねこは くたびれてはてて、
痩せて 泣いてばかりです。
ねずみたちは、ねこがかわいそうに なりました。
自分たちを 追いかけないという 条件で、
助けることにしました。
ねずみは、手芸が 得意でした。
ねずみの しっぽを
糸で たくさん作り、
ねこが ねずみを 取ったことに しました。
主人は ねずみを退治したと 勘違い。
ねこを ほめ、
ご褒美に 朝ごはんを ふやしました。
あるとき、主人は
メレンゲ菓子を30個、ジャムタルトを40個、くるみのブラウニーを48個
つくるように ねこに いいつけます。
でも、
材料は みんな
ねずみが 食べて しまっていました。
ねずみは、一計を 案じました。
得意の 針仕事で、虫やへびを つくり、
主人と おくさんを おどかし 追い出すことに成功しました。
「これから、どうするの、ねこさん?」
「もちろん、パンや つづけるよ」
ねことねずみは、パンやを はじめました。
ことねずみが生き生きと描かれた絵本、漫画風にコマ割りされた絵本です。ねこは、最後に自分の名前が、トラだと言っています。ねずみがねこを助けるところにユーモアがあります。「捨てる神あれば拾う神あり」です。
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※「ねこのパンやさん」 ポージー・シモンズ作 松波佐知子訳 徳間書店 2006年 (2024/7/15)