
舞台は 庭。
登場するのは、さまざまな植物、おばあちゃんとわたし、虫たち。
春
おばあちゃんが 言います。
「地面のしたは おおいそがしよ・・・
ミミズ、虫たちが 土を ほりかえしているの」
枝や 落ち葉を かたづけ、
雑草を ぬき、
たい肥を まく。
ダンゴムシが 落ち葉を 食べている。
種をまく わたしたち。
ニンジンが 芽をだし、エンドウの花が さく。
ミツバチが 花粉を はこぶ。
つよい 日差しのなか、
草取りで わたしは へとへと。
おばあちゃんが ホースを わたしに むけると・・・
「きゃああああああ!」
わたしは 大笑い。

おばあちゃんは、サヤインゲンを ぽりぽり。
わたしは あたたまった トマトを かぶり。
そして、
キュウリ、ズッキーニを 採る。
コマツグミが コオロキ、ハムシ、幼虫を ついばむ。
コウモリが ヒマワリ畑を とんでいる。
スカンクは 夜の見張り番。ネキリムシを 食べている。
カマキリが 蚊を ねらう。
ガーターヘビが バッタを ぱくん!
風が 涼しく なったら、
カボチャは オレンジ色。
ヒマワリが おじぎをする。
もう9月。
地面では、コガネグモが いとをだして、巣をつくる。
さあ、いそいで しゅうかくよ!
わたしたちは 冬支度。
虫たちも 冬ごもり。
雪の下では、春を待つ おにわが ねむっている。
・・・
庭の菜園の一年のドラマです。「作者のことば」をいくつかを紹介します。
ミミズは 菜園のヒーローです!
一匹のコウモリが、一晩に食べる虫の数は、数千匹。
カマキリは、菜園の大切なお客さんです。害虫のアブラムシを 食べてくれます。
ガーターヘビは、バッタとの戦いに大活躍する、菜園の兵士です。
「健康的な有機菜園とは、虫が一匹もいない菜園のことではありません。・・・たくさんの生きものたちがすんでいて、人間とともに活動し、協力しあって、野菜や花々をしっかりと育てているのです」(作者のことば)
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※『つちづくり にわづくり』 ケイト・メスナー文、クリストファー・サイラス・ニール絵、小梨直訳、福音館書店 2017年 (2025/4/7)