ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ちいさなあなたへ』-母となる喜びと希望をかたる

愛するむすめへ わたしの愛と希望を かたります

     

    ・・・

赤ちゃんに キスをする

わたし

雪の中で、空にむけて あなたを 抱き上げる 

わたし

      

あなたは

いつの間にか おおきくなり、

わたしの 赤ちゃんは わたしの 子どもに なった。

 

    

眠るあなたを みて、わたしも「ゆめ」を みる・・・

 

 いつか、

 あなたは すきとおった 湖に 飛びこむだろう。

 ほのぐらい 森で さまようかもしれない。

 瞳を 輝かせる 日も

 遠くへ 駆けていく 日も くるだろう。

     

 自分をためす 日も

 耳を ふさぎたくなるような 日も

 あなたが 風に向かって 歌うことも あるだろう。

 

 

やがて 

あなたを 見送る日が やってくる。

   

    

あなたは、

ちいさな 子どもを 背負うときが くるかもしれない。

わたしの前で 子どもの 髪の毛を とかすかもしれない。

    

   

いつか

長い 年月の はてに

あなた自身の 髪も 

銀色に 輝く日が やってくる。

    

   

 わたしの いとしいこ。  

 そのときには、どうか わたしのことを おもいだして

 

   

         ・・・

「わたし」の思いのこもった文章です。絵もやさしい感じです。

子どもが成長する喜びと不安、子どもが自分から離れていく寂しさを、読者は「わたし」とともに実感します。大人の読者は、自分とかさねながら、読むことでしょう。

      

想定される読者は女性ですが、男性にも読んでほしいと思います。年齢により、いろいろな読み方ができる絵本です。子どもに読んであげるときは、「あなたが、うまれたとき おかあさんの気持ちは こんな感じだったのよ」というような言葉を添えてもよいかもしれません。

       
      ・・・

※『ちいさなあなたへ』 アリスン・マギー作、ピーター・レイノルズ絵、なかがわちひろ訳、主婦の友社    2008年  (2024/9/27)

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