
そらまめくんのベッドは、白くて、ふわふわ。綿のようにやわらかい。その大切なベッドが失くなってしまいました。そらまめくんのベッドは、最後には戻ってきますが、ベッドだけでなく、 そらまめくんはもう一つ大切なものを得ました。
・・・
えだまめくん、
グリーンピースの きょうだいたち、
さやえんどうさん、
ピーナッツくんは、「ねむらせてもらえないかい?」と言うと、
そらまめくんは、
みんなに「だめ、だめ」と言いました。
だいじな、だいじな、宝物のベッドです。だれにも 使わせようとしません。
・・・
ある日、そのだいじなベッドが、突然なくなってしまいました。
あっ!
ベッドが ない!
そらまめくんは、必死でベッドをさがします。
どこにもありません。
みんなは、えだまめくんがかわいそうになりました。
「ぼくたちの ベッドを 貸しあげよう」

友達のベッドで寝ようとするそらまめくん。
えだまめくんのベッドは、「ちいさい」
グリーンピースの きょうだいたちのベッドは、「ほそい」
さやえんどうさんのベッドは、「うすい」
ピーナッツくんのベッドは、「かたい」
どのベッドにうまく納まりきれません 。
・・・
そらまめくんが、もう一度ベッドをさがしにいきますと・・・
わっ。
やっと見つけたベッドは、うずらがたまごを生んで温めていたのです。
そらまめくんは、うずらさんが卵をかえすまで、貸してあげることにします。
卵がかえって うずらのおやこは、 そらまめくんのベッドから出ていきました。
そのあとは?
みんなで仲良くパーティーです。 そらまめくんは、みんなをふわふわベッドに招待しました。

そらまめくんのように、大事なものを人に貸したくない気持ちはだれにでもあります。こうした心があるからこそ、 読者はそらまめくんに共感します。
そらまめくんは、自分のベッドでうずらがたまごを生んで温めていたことを知り、たまごが孵るまでまでベッドを貸してあげることにしました。このことがそらまめくんを変えました。そして、そらまめくんの気配りが周りのみんなとの状況を変えました。
ベッドが見つかって、みんなでパーティーをする場面の歌と踊りがとても楽しい。歌と踊り(身体的表現)の表現は、子どもたちの喜ぶところです。そして、絵本のたいせつな要素のひとつです。
ふわふわ ベッドが みつかった
きょうは たのしい おいわいさ
カシャ、カシャ、ドンドコ、プップクプー
カシャ、カシャ、ドンドコ、プップクプー
・・・
※『 そらまめくんの ベッド 』 なかや みわ 作・絵、 福音館書店、 1999年 (2021/11/5)