ランドルフ・コールデコット(1846-1886)の伝記絵本です。
アメリカの絵本賞・コールデコット賞に名を残す、19世紀のイギリスの絵本作家です。
子ども時代の ランドルフは、
アヒル、ガチョウ、イヌ、ヒツジ、ウシ、ブタ、メンドリ、ウマが 大好き
絵が 大好き。
父親は、彼を 銀行に 勤めさせますが・・・。
銀行でも 絵を描きつづけ、
有名な雑誌に 掲載されるように なりました。
ロンドンでは、
画家となる自信を 失ってしまいました。
でも、
とにかくやってみよう、
動きを描こうと、かれは、考えました。
子どもたち、歩くプードル、飛びたつコウノトリ、
いまにも とびかかろうとする ネコ、
剣をつきだす 役者、
さっそうと歩く紳士、
鞭をふるう 御者・・・
ある日、
「絵本をつくってみませんか」と、依頼されました。
彼は、子どもが好きなものが 好きでした。
動きのある 絵
動物たちの 絵
コールデコットの絵は、
ページを めくるごとに、
いろいろな出来事がおこり、物語が どんどんすすんでいきます。
みんな 大よろこび
批評家は びっくりぎょうてん。
彼は、絵を見るだけで物語がわかる絵本をつくったのだ。
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絵がついているだけの1850年代のイギリスの絵本から、「新しい絵本の時代をつくったコールデコット」。それは、「おめかししたカエル、ドレスをきたハツカネズミ、にげだしたスプーンとおさらが、たくさんの子どもべやでとびまわる」絵でした。
馬に乗ってかけぬけるジョン・ギルピンの絵は、見るだけで、ひずめの音が 聞こえてくるようです。
巻末の「注記」「トイ・ブックの三大画家」「参考文献」「訳者あとがき」は、コールデコットを理解するうえで、とても参考になります。また、絵本のあちらこちらに、コールデコットの絵が散りばめられています。
『かいじゅうたちのいるところ』『ライオンとねずみ』などのコールデコット賞受賞者とその作品も、絵本に描かれています。
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※『その絵ときたら!』 ミッシェル・マーケル作、バーバラ・マクリントック絵、福本友美子訳、ほるぷ出版 2023年 (2024/11/15)