『かさぶたくん』『おっぱいのひみつ』の、やぎゅうげんいちろうさんの絵本です。
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わたし
まえは ちいさく なりたいと おもってた・・・
おはなし だったら ちいさく なれるけど
ほんとうは ちいさくなれない のよね ー
そうです。
ことえちゃんの いう とおりです。
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みんな、背が伸びます。
背が伸びることを 科学的に おしえてもらいましょう。
きみたちのからだは どんどん おおきく なっています。
しょうがくせいに なっても
どんどん おおきく なっていきます。
「ほね」が のびる からです。
「ち」の なかには、
「ほね」をおおきくしたり、丈夫にする 栄養分が はいっています。
「ほね」は、17さいか、18さいぐらいに なると、
おおきく ならないように なっています。
おじいちゃん、おばあちゃんになると、
筋肉が おとろえたりして、
「せ」は 縮みます。
ぼくたちの「かおのかたち」「せいのたかさ」は、ひとりひとりちがっています。
ぼくたちの思うようにはなりません。
「きみのからだのかたち」は、
宇宙で きみだけしか もっていない
「からだのかたち」です。
めちゃくちゃ かっこいい ことです。
おにいちゃんの背を おいこしたい きみに。
おにいちゃんが よく 食べていたものは、
牛乳、小魚、チーズ、ヨーグルト、豚肉、ソーセージ、鶏肉、納豆、にんじん、みそ、ピーマン、たまご、ほうれん草・・・
子どもたちが、卒園しました。
でも、
にわとりの おばさんは 春になると いつも 思います。
ねんしょうさんが えんに やってくるわ。
どんな こたち かしら?
たのしみだわ
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「背は、どうやって伸びるの」という子どもの疑問に答えた科学的な絵本です。
「このほんをよむと すぐに せがのびます うそでーす」という文章が冒頭にあります。読者への仕掛けです。「この人、おもしろことを言う人みたい」と、子どもの心をとらえます。また、背が低くなったことについて、おじいちゃんが言いました。「あちこち歩き回ったので、足の裏がすりへった。髪の毛のぶんもへったへった」。にわとりのおばさんも登場しています。真面目な内容ですが、ユーモアたっぷりに伝えます。
ぼくたちの「かおのかたち」「せいのたかさ」は、ひとりひとりちがっています。それは、宇宙できみだけしか持っていない 「からだのかたち」。「めちゃくちゃ かっこいい こと」だと語り手は言っています。子どもたちのありのままの姿を認め、一人ひとりの個性を大切にする語り手(作者)の考えです。
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※『せがのびる』 やぎゅうげんいちろう作、福音館書店、2024年 (2024/7/8)