ふるはしかずおの絵本ブログ3

『すてきな子どもたち』- ごっこ遊びの思い出

50年前、ロクサボクセンで 遊んだ 子どものころの思い出です

     

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ロクサボクセン とは、のこと。

どこにでもある、ごつごつした 丘。

 

 砂と岩、

 古い木の 箱、

 サボテン、

 グリース・ウッド、

 棘だらけの オコティーヨしか ないところ。

    

でも、ロクサボクセンは、みんなの遊び場、特別の場所です。

    

   

ロクサボクセンの 子どもの 町は、

だんだん 大きくなり

石で 区分けをし、自分の家を つくりました。

町役場が でき、

マリアンが 町長に なりました。

     

       

パン屋さん、アイスクリーム屋さんが できました。

    

みんな 車を 持っています。

それは ハンドルだけの車。

 

ウマにも 乗りました。

棒きれと ひもだけの ウマに

 

    

男の子と 女の子の 「大せんそう」も ありました。

これも 遊び。

じぶんの お城に はいれば、

相手は かかってこられない 戦いです。

      

     

仲間は みんな 大きくなり、

ひとり またひとりと 別の町に 越していきました。

     

     

 ロクサボクセンは なくなって しまったの ?

 そうじゃないの。

 ロクサボクセンを 忘れてしまったひとは いなかったんですから。

     

 50年たって

 ロクサボクセンを 訪れた フランセスから、

 通りを 区切っていた 白い石も、

 コハク色、アメジスト色、みどり色のガラスや 陶器のかけらが、

 まだ、ぴかぴか 光っていたことを 聞いたの。

      

       

子どもの頃の郷愁に満ちた絵本です。だれもが、おなじような子どもの頃の思い出をもっていることでしょう。

      

コハク色、アメジスト色、みどり色に光るガラスや陶器のかけらは、幸せな子ども時代を象徴するモノたちです。かれらの思い出の中で、いまでも「ぴかぴか 光って」います。

     

読点の多い文章です。それが、絵本を読みかたりをコントロールしています。語り手の意識の流れをたいせつにした文章です。

バーバラ・クーニーの絵は、郷愁をこめて、50年前のロクサボクセンをいきいきと再現しています。

    

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※『すてきな子どもたち』 アリス・マクレラン文 バーバラ・クーニー絵 きたむらたろう訳 ほるぷ出版 1992年  (2024/7/18)

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